食べものは元気のもと
オキナワのにんじん食堂から
第5回 ごちそうとぜいたく
(沖縄時代の文章です。)
「いらっしゃいませ」
きょうも元気よく「にんじん食堂」はスタートします。きょうのお昼ごはんのメニューは、①煮つけ、②ゴーヤー入り野菜サラダ、③紅いものウムニー、④キビごはん、⑤ハンダマとゆしどうふのお汁です。これぜんぶで500円。ごはんはおかわりができます。
煮つけはオキナワの人たち、ウチナーンチュがだいすきな料理です。ぶた肉、こんぶ、しいたけ、だいこん、にんじん、揚げどうふ、ゆでたまごなどを時間をかけてグツグツと煮こんだもので、おでんによく似た料理といっていいかもしれません。
煮ているうちにそれぞれの材料から味がしみだしてきます。また、その味がそれぞれの材料にしみこんでいきます。料理にたくさんの材料をつかうと、さまざまな味がまざりあってとてもおいしくなります。そして健康と成長のために欠かせない栄養素がたっぷりととれるのです。
だいこん、にんじん、ゆでたまごなどはひとつひとつだとフツウの食べものですが、煮つけやおでんにすると、いろいろ盛りつけたお皿の料理はりっぱなごちそうになります。
でも、ごちそうも多すぎると話はちがってしまいます。だいすきだからといって、おすしにハンバーグにカレーライスをぜんぶ食べられますか。レストランでの食事やパーティーなどでの食事のときに、いくつもいくつもおいしそうなお皿が並ぶことがあります。どんなにおいしくても、とてもぜんぶ食べられません。お皿には料理が残ってしまうでしょう。せっかくのごちそうなのに。
世界中には食べものを満足に食べられずに飢えている子どもたちがたくさんいます。そのいっぽうで食べものを残している日本の子どもたちがいます。これでいいのかな?