「アシティビチ」を「足ティビチ」と書く人もいます。
文字通り、アシティビチは「豚の足」(「豚足」)をやわらかく煮込んで、
お汁にしたものですが、煮付けにする場合もあります。
また、沖縄そば(すば)に乗せたり、おでんにします。
沖縄では「チマグー」という足先を使うことが多いのです。
長い脚のところは「フィサガー」と言います。
このフィサガーを輪切りにして使う場合もあります。
フィサガーという名前は、ウチナーンチュも知らない人が増えたためか、
肉売り場では「ティビチ」という名前で並んでいます。
もともと料理法だった言葉が、部位を表すようになったわけですが、
果たしてこれでいいのか、疑問です。
「フィサ」は「膝」から由来したようですが、
膝だけではなく、脚(足)全体を指す言葉です。
「デークニブィサ」といえば、「大根足」のことです。
さて、アシティビチというと、コラーゲンたっぷりという方がいます。
しかし、食べものから摂取したコラーゲンは、
体内で分解してしまうので、意味はありません。
また、コラーゲンの分量は、食材としてのかたい豚の足のときが最も多く、
煮込むほどにゼラチンとして溶け出していきますから、
プルンプルンとやわらかくなったアシティビチほど減少しています。