食べものは元気のもと
オキナワのにんじん食堂から
第4回 食べもののすききらい
(沖縄時代の文章です。)
「いらっしゃいませ」
きょうも元気よく「にんじん食堂」はスタートします。きょうのお昼ごはんのメニューは、①ウラチキチヌク、②野菜入りたまごやき、③へちまの酢みそかけ、④ごはん、⑤イナムドゥチ(ぶた肉やいろいろなものが入ったあまいみそしる)です。これぜんぶで500円。どうぞ、おめしあがりください。
「ウラチキチヌク」はオキナワのことばで、「裏付きキノコ」のことです。シイタケの裏に魚のすりみを丸くこんもりと盛り付けた料理で、にんじん食堂の人気メニューです。でも、お客さんのみんなが大すきなわけではありません。シイタケがきらい、魚がきらいという人もいて、食べないでお皿にそのまま残っていることもあります。
「もったいないなあ……」
食べもののすききらいがある人はすくなくありません。そして、じぶんが「おいしい」と思うものをたくさん食べたい、いつも食べたいのはあたりまえです。だけど、すきなものだけを食べていたら、どうなりますか?
肉が大すきといって、とんかつ、ハンバーグ、牛どんなどばかりを毎日毎日食べたり、野菜が大きらいといって、にんじん、ピーマン、キャベツなどをぜんぜん食べなかったら栄養素のバランスがくずれて、やがて病気になってしまうことでしょう。
すききらいがあるのはしかたないけれど、でも、きらいなものはぜったいダメときめつけないで、チャレンジしてみませんか。前に食べたときは、たまたまおいしくなかったのかもしれません。ほんのすこしがまんすれば食べられるかもしれません。すききらいは食べものだけでなく、お友だちのことでも同じです。きらいなお友だちだって、よくつきあってみれば、すきになることもあるはずです。
「長寿のくに・沖縄」は、「今は昔」のお話になっています。
2005年に発表された「都道府県別平均寿命」によると、
沖縄は、男性が一挙に「26位」に転落してしまいました。
女性は「1位」を守ったものの、
近い将来、男性と同様に下位に落ちていくと予想されます。
長寿が最大の「産業」とも言える沖縄にとって、
これは大きなショックと言われました。
(もっとも、ほとんどのウチナーンチュは危機意識は薄いようですが。)
沖縄の人たちの健康問題に関与してきた多くの人たちは、
平均寿命の順位低下の原因は、
生活習慣の乱れた「若い世代の健康」が悪化し、短命化して、
その結果、全体の数字を引き下げたものと分析しました。
つまり、「沖縄の高齢者」は、依然として健康であると考えられてきました。
しかし、最近、またもショッキングな研究結果が公表されました。
65歳以上の高齢者の「平均余命」に占める、
「健康な生活を送れるとされる期間(健康余命)」の割合が、
男性・女性ともに「全国最下位」であることが判明したのです。
介護を必要とする人の割合や、介護度の高い人の割合、
寝たきりの人の割合が高いという現状が明らかになりました。
(国際医療福祉大学の栗盛須雅子講師の研究による)
長寿神話の崩壊の要因としては、次のことが指摘されています。
(1)いわゆる生活習慣病の増加。
脳血管疾患・肝疾患・糖尿病・心筋梗塞などは全国でもワースト10に入っています。
(2)肥満者の増加、肥満の程度の悪化、および、肥満の若年化。
これは沖縄は他県の追随を許さぬほどのひどさです。
沖縄の長寿を支えてきたのは、伝統の食習慣と考えられますが、
それが徐々に崩れ、あるいは急速に崩れ、食生活の乱れが進んでいます。
また、大量飲酒、他県では想像もできない驚くほどの「運動不足」も
上の(1)(2)に関係しています。
ちなみに「伝統の食習慣」とは、「ンブシー」や「イリチー」などで
野菜・芋・大豆製品・海藻などをよく食べることです。
「食生活の乱れ」とは、
まず「動物性脂質の摂取過剰」や「エネルギー量のオーバー」です。
から揚げなどの多い「弁当」や「オードブル」を見ればわかります。
次に「栄養素のバランス」がきわめて不良であることも黙視できません。
これはウチナーンチュの大好きな
「沖縄そば」と「チャンプルー」に象徴されています。
健康に害のある添加物たっぷりの
「ポークランチョンミート」というジャンクフードも
沖縄以外ではほとんど食べられてはいません。
(3)また、口腔衛生のレベルの低さも関係しているでしょう。
沖縄では3歳児の虫歯有病者率が、5年連続全国ワースト1であり、
ほかのどの年代でも虫歯有病者率は、
全国平均にはるかに及ばない状況です。
80歳で20本以上の歯がある「8020」の達成者率も、
2003年の調査で10・9%という低率になっています。
しかも5年前の調査よりも悪化しているのです。
食を支える口腔の健康の悪化も、
高齢者に認知症や介護度の高い人が増加し、
寝たきりの多い現状を生み出している大きな原因と考えられます。
ただ長命なだけでなく、いつまでも健康を保ち、
生活の質の面においても満足できる人生を送れるように
するにはどうしたらよいか。
これまで、沖縄の健康問題に関与していた人たちは、
その責任をとって退陣して、
新しい人材が新しい発想で取り組むべきでしょう。
沖縄では、この新陳代謝のシステムがなく、
健康長寿を崩壊させた被告人たちが、
その後も裁判官の席に着いたままでいるのです。
難解な沖縄の地名
読めますか?
(1)豊見城(とみしろ以外)
(2)恩納
(3)今帰仁
(4)東風平
(5)西武門
(6)南風原
(7)北谷
(8)大当
(9)大工廻(3つ)
(10)澤岻
(11)砂川(すながわ以外)
(12)牧港(まきみなと以外)
(14)平安名
(15)川代志
(16)一名代
(17)根謝銘(ねじゃめ以外)
(18)木下前
漢字で書いてみましょう。
(19)よへん→■辺
(20)ぬは→■波
(21)なかんだかり→仲村■
最期に最強の地名です。
(22)保栄茂
(23)為又(沖縄の人は知っています)
ところで、私の好きな地名は「じっちゃ■」ですが、
漢字で書くと……。
「沖縄の地名」は、ほんとうに難しいです。
ヤマトゥ的に替えたもの、ウチナー的な共通語、
そして沖縄語(ウチナーグチ)があります。
(1)豊見城……「豊見城」高校は「とみしろ」高校ですが、
「豊見城」市は「とみぐすく」市です。
沖縄語では、「てぃみぐしく 」といったらいいでしょうか。
那覇は「なは」ですが、沖縄語では「なーふゎ」。
首里は「しゅり」ですが、沖縄語では「すい」です。
その他、沖縄語では、宜野湾は「じのぉん」、
勝連は「かっちん」、大東島は「うふあがりじま」、
宮古は「なーく」、平良は「ふらら」、
八重山は「え゛ーま」などなど。
(2)恩納 ……「おんな」です。沖縄語では「うんな」。
(3)今帰仁……「なきじん」・「なちじん」。
(4)東風平 ……「こちんだ」・「くちんだ」。
(5)西武門 ……「にしんじょう」。
(6)南風原 ……「はえばる」・「ふぇーばる」。
(7)北谷 ……「ちゃたん」。
(8)大当 ……「うふどう」。
「大」は「うふ」「うー」です。「小」は「くー」。
(9)大工廻(3つ)……「たくえ」・「だくじゃく」・「じゃくじゃく」。
姓の場合は「らくじゃく」とも。
(10)澤岻……「たくし」。
(11)砂川(すながわ以外)……「うるか」。
(12)牧港(まきみなと以外)……「まちなと」。
(14)平安名……「へんな」。
(15)川代志……「かれいし」。
(16)一名代……「てぃんなす」。
(17)根謝銘(ねじゃめ以外)……「いんじゃみ」。
(18)木下前……「ひんさめー」。
(19)よへん→■辺……「饒辺」。
(20)ぬは→■波……「饒波」。
(21)なかんだかり→仲村■……「仲村渠」。
(22)保栄茂……「びん」。
(23)為又(沖縄の人は知っています)……「びーまた」・「びいまた」。
「じっちゃ■」……「じっちゃん」ではなく「じっちゃく」。姓では「せりきゃく」。
漢字で書くと……「勢理客」でした。