「合成の誤謬」とは、個々人としては合理的な行動であっても、多くの人がその行動をとることによって、社会全体にとって不都合な結果が生じてくるコトをいうそうだ。
日本経済の再生のために、これまで行なってきた金融緩和が効かないのは、金利を下げても、多くの企業が借金をしてまで事業を広げない(投資を控える)からだそうだ。
それどころか、企業は、「内部留保」をため込んで、無借金を誇る傾向も強いらしい。
さらに、企業は利益確保のために労働者の賃金を抑え、収入が伸びない家計(個人)は節約する(消費を控える)。
このため、企業の売上が伸びない。
売上の伸びない企業はさらに「劣悪な労働条件(低賃金・長時間労働)」で労働者を酷使する。
これがデフレスパイラルである。
企業も家計も不合理なコトをしたから苦しくなったのではない。
将来の不安(ああ、メンタリティーの問題なのね)のために守りを固めただけだ。
しかし、社会全体ではマイナスの循環が出来上がってしまう。
だから、インフレになるのはいいとして、国民の収入を増やし、将来不安を薄めるような政策をとらなければならない。
朝日新聞の社説によると、非正規雇用の待遇改善や、女性の就労を増やす子育て支援、富裕層の貯蓄を動かす税制改革などが必要になるだろうとのコト。