古代エジプト神話のマアトは死者の心臓の重さを量る場を取り仕切る神々の一人とされていたようです。
もし死者の心臓の重さがマアトの羽と同じ重さなら、次の段階に進み、冥界の神としての役割を務めるオシリスに合流できて、黄泉の国で生まれ変わりの可能性がある場所が割り当てられるのだそうです。
しかし、もし死者の心臓がマアトの羽より重ければ、気味の悪いワニの頭をした神に心臓は投げ与えられ、食べられてしまうのだそうです。
マアトは女神だけど、特定の役割も分野もなく、書法の神でも豊穣の神でも畜産の神でもなかったそうです。
それよりもっと重要だったそうです。
マアト(ma’at)という言葉は、真実、正義、均衡、自然と宇宙の運行原理、そして年月日や季節など時間の進行まで意味するのだそうです。
つまり、他人に対する礼節、正しい社会秩序、生者と死者の関係、誠実で公正で道徳的な行動基準、あらゆるもののあるべき状態など、そういうすべての概念が、たった一つの短い単語に練りこまれているわけだそうです。
その反意語は、自然界の混沌、利己主義、虚偽、邪悪な行為など、神の定められた模範を乱すものだそうです。
ああ、統合失調症がまだ寛解していなかった頃の僕の心は、今よりずっと重たかったなあ。
それだけ心理的な負債を抱えていたということなのかなあ。
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