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仙台市・大野田官衙遺跡 西溝が出土し、役所跡の規模が判明

2009年06月19日 | Weblog
 大野田官衙遺跡(仙台市太白区大野田)は、昨年度の調査で、大型の掘立柱建物跡(6棟)が規則的に配置されていることがわかり、古代(8世紀前半)の役所跡(官衙)であることが明らかになった。役所跡は、周囲が幅約3mの溝で囲まれ、大きさは南北250m以上、東西180m以上と発表されていた。ただし、北、東、南側の溝が出土したが、西側の溝は出土していなかったため、今回発掘調査された。
 仙台市教委は18日、大野田官衙遺跡で、遺跡の規模を確定する西側の大きな溝の跡2ヶ所(幅2.3~2.8m、深さ0.8~0.9mと幅2.6m、深さ1.15m)が出土したと発表した。役所は溝で四方を囲まれた長方形で、全体の大きさは南北約259m、東西約196mと分かった。
 遺跡の北東約1・5kmには、多賀城が724年に築かれる前の初代・陸奥国府とされる郡山遺跡がある。郡山遺跡の最初の役所(7世紀中頃)には、政治、住居、倉庫の機能がすべてそろっていたが、7世紀末頃、敵対していた蝦夷に大和朝廷の力を示すため、藤原宮(奈良県)を模して全面改築した。行政の施設は充実させたが、住居や倉庫は外されていたことが分かっていた。大野田官衙遺跡の中心部の建物の配置や方角から、倉庫機能を持つ「一種の分庁舎」として、ここに移された可能性があるという。
 市教委は20、21の両日、午前11時から現地(仙台市太白区大野田字竹松・宮脇地内、大野田小学校校庭の南側)で遺跡見学会を開く。
 また両日は大野田コミュニティーセンターでは出土品などを展示する「大野田展」(9時~16時、入場無料)が開催される。
[参考:河北新報、読売新聞、仙台市教育委員会文化財課HP]

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