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安中市・長谷津遺跡 竪穴住居間にトンネル跡

2009年07月15日 | Weblog
 群馬県埋蔵文化財調査事業団が今年4月から発掘調査中の長谷津遺跡(安中市西上磯部)で、出入り口とは別の外部に通じるトンネルを持つ珍しい構造の竪穴住居が複数、発見された。
 長谷津遺跡は碓井川の形成した河岸段丘の北縁にあり、県道の改良工事で発見され、12月までに発掘調査を予定している。弥生時代後期から古墳時代初期(3世紀後半から4世紀)にかけて作られたとみられ、6月末までの調査で、竪穴住居跡約30軒、周溝墓2基などが見つかっている。
 特に弥生時代後期とみられる竪穴住居は、縦10m、横6mと大型で、直径50cm前後のトンネルが壁から掘られ、隣の住居とつながっているものも見つかった。何の目的で設けられたものかは今のところ不明としているが、今後の分析が期待される。
 こうした構造を持つ住居は、福岡県春日市に数例ある。同市の須玖五反田遺跡は出土品から、ガラス工房跡とみられ、送風のためのトンネルだったと推定されている。長谷津遺跡では手がかりとなるようなものは見つかっておらず、隣の住居とつながった構造も非常に珍しいという。床面からは煮炊きをした跡も見つかっており、工房ではなく住居として使用されていたと推定している。
周溝墓は約10mの方形で、内側に礫を敷き詰めた埋葬場所が複数ある。周溝墓は住居より新しく、この場所が集落から墓地へと変わっていったことがうかがえるとする。
 現地説明会は18日午前10時~午後3時。(小雨決行)
[参考:毎日新聞、群馬県埋蔵文化財調査事業団HP]




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