シクロクロスで旅のレポート

ロードでもなくMTBでもなく、シクロクロスは「旅」のできる自転車です。そんなシクロで旅したレポートお届けします。

自転車乗りの写真考

2008-06-18 13:23:52 | Weblog
 日本人はよく「写真好き」だと言われます。ほら、少し前まで外国で「眼鏡をかけて首からカメラをぶら下げている男にあったらそいつは日本人だ」って言われてたでしょ。実際僕も写真を主要な趣味にしていた頃もあったので、「確かになぁ~」なんて思ったりもします(^^)
 日本人は何故写真(を撮ること)が好きなのか、諸説あるようですが「仏教文化の現れだ」という説が有力なんだそうです。つまりこの世の生の儚さを感じ取る無常観から、今この一時を大切に思う気持ち(一期一会)の延長に「この瞬間を永久に写しとどめる」写真を好むのであると、こういうことなのだそうです。
 でもそれだけじゃないだろうねぇ。やっぱり共同体的な連帯感というのか、自分の見たり聞いたりしたことを身近な人と共有したいんだよ!っていう思いもそれに輪をかけているんじゃないでしょうかねぇ。そういう経験を共有するためのアイテムとして写真というものが受け入れられているんじゃないでしょうか。
 ところで、皆さんも自転車で旅をされる時にはカメラを持っていきますよね。アレだけ「少しでも重量を減らして走らなくちゃ」って思って、ボトルケージを下手したら万の位に手の届きそうなカーボン製のものにしている人が、ちゃっかりコンパクトデジカメを背面のポケットに入れたりしてるんですよね(^^) お、そこのあなたも覚えがあるな?!

 そうして持っていったカメラでどんな風に写真を撮ってますか? 一緒に走った仲間との記念写真ですか、峠の頂に立った時の眺望でしょうか、それとも目の前に開けた大海原の絶景ですか?いいですねぇ! ところで、それはどんな風にして撮りますか?もちろん立ち止まって撮る、あるいは休憩中に撮るという方がほとんどでしょうね。僕もそうでした、始めのころは。 今はどうかというと、もちろんそれが撮影の基本なんですが、それ以外に、走りながら撮るということをしております。 ロングライドの魅力的な雰囲気を伝えるのには、やはり動きのある写真も必要だと思うようになりまして、走りながらの撮影に挑んでおります。しかしこれには結構テクニックと機材が必要です。機材というのはもちろんカメラですが、最低限必要なスペックはオートフォーカスです。最近のコンパクトカメラはほとんどオートフォーカスなのでなんでもいいといえばいいのですが、僕の場合はオリンパスμⅢ-150というフィルムカメラを使っております。全天候型なので激しい雨の中でも使用可能(もっともそんな雨の中を走ることはまず無いと思うけど)。何よりも衝撃に強いのが採用の理由です。デジカメは落とすと機嫌が悪くなったりすぐに死んだりするのでね。
 撮影する際に、ファインダーを覗く必要がありますが、これは実に怖いです。特に30㌔近い高速巡航中に前を行く人たちの後ろ姿を撮ろうと、ファインダーを覗くと全く違う距離感がそこにあって、危うくハンドルを切りそこねたりもしかねないので長く覗くのは禁物なのです。しかも真横を走る人を撮影したり、後続の車列を撮影しようとすると、ノーファインダーでの撮影もしなくてはなりません。でもそうやって苦労しながら撮った写真は何よりも大切な旅の記録。多少被写体がセンターに入っていなくても、それはそれでご愛敬というものです。今日もまたできあがって来た写真を見ながら、旅の思い出を語るのであります。