鉄道改善案

鉄道改善提案、延伸、新線構想、理想ダイヤ、理想配線図、車両デザイン批評、鉄道と地域、都道府県・市町村改編、交通改善総合

今こそ改軌してもよいのではないか

2016年06月30日 | 鉄道一般
 日本の鉄道路線網の中で、最大の割合を占める軌間は1067㎜の狭軌である。明治時代に最初に鉄道を作る時に国が狭軌を採用したためであるが、これは世紀の大愚策といえよう。世界の標準は標準軌であり、日本で最大割合の狭軌は、その名のとおり世界的には極めて狭い部類なのである。日本は山が多いとは言え、標準軌であっても、狭軌であっても、車体幅が同じであれば路盤面積はさほど変わらない。しかも日本は世界一の鉄道大国である。もし国鉄が標準軌を採用していたならば、通勤車両を新幹線並みの幅広さにでき、首都圏の殺人ラッシュも幾分緩いものとなったかもしれない。直感的に明らかだが、同じ幅の車両であれば、軌間が広い方が安定する。首都圏であれば、東急は狭軌、京急は標準軌であるが、乗っていて京急のほうがやはり揺れが少ない。標準軌であればカントを大きくとることも可能になり、カーブを高速で走行することも可能になる。殆どの点で標準軌は狭軌に勝っており、まさに「大は小を兼ねる」である。狭軌が有利なのは、カーブにおいて左右のレール長の差が少ないことと、枕木の総重量を削減できることくらいであろう。過去の反省から新幹線は1435㎜の標準軌にしたが、在来線の大半が狭軌であるから、問題の根本は解決されていない。

 日本では改軌論争が何度か起こったが、非現実的であるとしていずれも実現に至っていない。しかし今こそ改軌してもよいのではないか。というのはフリーゲージトレインが開発されてきているからである。フリーゲージトレインは新幹線と在来線の直通を想定しており、高速走行が求められるため未だ実用化されていないが、在来線のみであれば今すぐにでも走行できる。日本の路線網を部分的に狭軌⇒標準軌に改軌を繰り返し、間をまたぐ運用はフリーゲージトレインに任せる。そして何十年もかけて徐々に日本列島全体を改軌するのである。こうすれば標準軌にすることでのカントの増大に伴い、在来線の大半において時速160㎞運転が可能になる。直線部では時速200㎞も不可能でない。こうなれば新たに新幹線を作らずともよくなる。当然、新幹線-在来線の直通も自由である。

 全国の路線を改軌するといえば非現実的で馬鹿げた妄想に思われるかもしれない。しかしフリーゲージトレインが実用化されようとしている今こそ、真剣に考えてもよいのではないか。