藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

八月六日に寄せて。

2012-07-14 00:39:31 | 日記・エッセイ・コラム

今年も原爆記念日が来る。嘗てこの広島の焼け野原で、核兵器廃絶のための会議が、東京の杉並区のお母さんたちの呼びかけで始まった。当時の広島市長は、浜井信三氏であった。公選市長の最初の市長である。浜井市長誕生の裏には、焼け野原で復興に取り組んだ青年たちの力が大きかった。広島市青年連合会と呼ばれる組織は、戦前の青年団が中心であったが、焼け野が原から広島復興に向けて全国の青年の協力を得て、頑張っていた。その中で、広島市役所職員 浜井信三 課長は青年たちから絶大な信頼を得ていた。原爆投下時、市役所で被災し負傷しながらも、必死に市民の救済に走り回る姿に青年たちがほれ込んだのである。最初の公選市長選挙時、一回目の投票は、当時の選挙法で過半数が無いと当選と認められず、再選挙となった。市の職員を辞職させ擁立した、浜井信三氏を青年達は当選させるべく奔走した。その中には、他府県からの応援者もいた。竹下 登氏(後の総理大臣)もその一人である。この選挙に関わった後、政界に投じた人間は少なくない。大原 徹 後の衆議院議員、深津 誠一 大野町町長、山下 三郎 廿日市市長、山口 氏康 広島市議会議員、松江 潔 広島県会議員、上げれば切が無い。こうゆう人々が広島市内を駆け巡り、町内会長を説き伏せ、再選挙時には他の候補が全て辞退するところに追い込んだ。この広島の青年と杉並区の母親たちが手を結び第一回の「核兵器廃絶の為の会議」通称、核禁会議を開催したのです。その後、中心が青年組織から労働組合に移り、政党間の争いから分裂していきますが、その中で、平和式典だけは誰も反対する者はなく、今日まで続いています。嘗て八月六日八時十五分には、アメリカ空軍機が、爆心地の「島外科病院」の裏庭に花束を投下していました。私が満六歳、昭和二十六年のその日、母が「虫垂炎」の手術を受け、偶然にも「島外科病院」入院中で、見舞いに姉と行くと、裏庭に大きな花束が落下傘と共に舞い降りてきました。あの日の光景は、一生忘れることは無いと思う。その年旧広島市民球場が完成した。 浜井 信三広島市長誕生の秘話は、竹下 登 氏から直接聞き驚きの連続であった。後の総理大臣の、若かりし一時代の思い出話を議員事務所で聞かされた時の感動は、今も忘れることは無い。何故この話を聞くことが出来たかは、おいおい皆様にお伝えする。何故原爆ドームが破壊されず、残ってきたかの記録の一部としたい。

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思わぬところにアスベスト

2012-07-12 18:30:42 | 社会・経済

Nisiyama 雨は上がった。しかし、空はどんよりとし、私の体も節々が悲鳴を上げている。アスベスト暴露者独特の痛みである。激痛ではないが、鈍く深く続く。痛み止めも効かない。明日は経絡治療に行く予定にして、他の約束をキャンセルした。

さて、皆さんがこんなところにもアスベストが?という物を紹介します。

皆さんが朝一番に召し上がるコーヒー。コーヒーには含まれていませんが、コーヒーカップの製作過程で使用される「タルク」と呼ばれる物の中に、嘗てアスベストが存在した。いや、今でも存在しているかもしれない。この「タルク」と呼ばれる物は、女性の一番大事な化粧品に大量に使用されている。ファンデーション等は、その代表である。しかし、日本の検査方法JISによる方法では、5%未満は検出不可能である。国際的に非難されているが、未だに検査方法を変える気持ちは無い様だ。ただ仙台市は、今回の震災により危機感を持ち、検査方法を国際基準に変えた。結果、これまでノンアスベストとされた物の中から、次々にアスベストが検出されて、解体業者が悲鳴を上げているそうである。

さて、何故にコーヒーカップにアスベストなのか。

大量生産される磁器は、型抜きされ表面を「タルク」で化粧される。つまり、女性のファンデーションを塗るのと同じ工程がなされる。工業製品であるから純度の高い「タルク」である必要が無い。それにこの上から上薬がかけられ、焼成される。アスベストは無害化されるが、同じ工程をとって製造されるタイルは、その貼り付け工程で、切断される。今日では電動工具が発達し、ダイヤモンドによる切断方法が一般的になった為、磁器の粉塵が切断工程で職人を襲うのである。こうして、タイル職人のアスベスト被害が生じる。昨日の来訪者もこうして胸膜肥厚になった。これらの事は、食器生産現場でも発生している。2009年「ニチアス」が韓国工場から日本に輸出してきた「タルク」が、韓国政府により摘発された。韓国は国際基準の検査方法で検査を行ったからである。「ニチアス」は、インドネシアに生産工場を移し生産を続けている。インドネシアは国際条約加盟国ではないため、アスベストの国際間の移動禁止に関する条約の制限を受けないため、どのような品質の物を輸出しようが関係を持たない。輸入元の日本が5%未満の検出方法を確立しない限り脱法的貿易を「ニチアス」つずけるに違いない。

皆さんに忠告します。国産品の化粧品は、アスベスト汚染の危険性があります。嘗ての国産品「ベビーパウダー」によるアスベスト被害が再び起きる可能性があるのです。

1981年アメリカでは、製造物責任法を楯に市民が一斉にアスベスト使用企業を告訴した。結果、その供給元の会社が責任追及され、倒産した。その結果その後の、アメリカ製の「タルク」にはアスベストは含まれていない。ジョンソン・アンド・ジョンソンのベビー・パウダーも安全のお墨付きがついている。ただし、国産品は、不明である。日本のタイヤメーカーは、輸出用タイヤと、国内販売用タイヤに使用する「タルク」を、使い分けているという噂が存在することを付け加えておく。

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低気圧で体調不良

2012-07-11 21:51:12 | 日記・エッセイ・コラム

P1010001 私の部屋から眺めた螺山である。嘗て遥か大正時代この山から蝋石が産出したとの言い伝えがあり、先月初め痕跡を求め出かけていった。私の左目は、昨年一度黄班膜円欠を起こした。肺機能低下から酸欠状態になり、一番弱い黄班膜が損傷を受けて円形に欠損手前であったが、一部つながりかろうじてぶら下がり状態であった。病室に空きがなく、三週間待たされた。ただ医師の説明は、手術は一時間半、その後十日以上のうつ伏せ生活をせねばならないとのことであった。そこで私は自宅で二週間練習してみた。食事の準備時間以外、常にうつ伏せ状態を試みた。と同時に、「ドクター・ぺ・天使」こと、宇土医師の経絡治療を合計四回受けた。奇跡が起きた。切れ掛かっていた黄班膜がつながり回復していたのである。入院の日、入院検査で完治しているので入院は中止ということになった。しかし今回はそうは問屋が卸さなかった。山歩きによる酸欠で、直径14mmの黄班膜が即死状態になった。緊急に手術が必要だが病室がない。無理やり調整していただき十二日後に入院した。しかし、血液型がA型のわたしはじっとしていない。宇土医師のところへ行き、経絡治療を二回受けて、自宅で食事の支度以外何もせず、ただただ安静にし、本も読まず、テレビも見ず、一日二十分だけPCを触っていた。六月十二日入院、十三日手術。今回も奇跡が起きた。死んだ黄班膜の裏に新しい黄班膜が薄く再生されていたのである。執刀していただいた先生自身がびっくりされた。当初は文字や景色が右目より薄く見えていたが、今日の時点では大差ない。ただ再生されたが、眼球が疲労し歪みがあり、線がまっすぐ見えない。半年我慢しなさいと諭された。しかし二度の奇跡を体験した私としては、三度目の奇跡を心のどこかで望んでいる。

本日の来訪者三名、元タイル職人である。三人ともに胸膜肥厚が医師により指摘され、「健康管理手帳」石綿の取得を勧められたが、方法が解らずにいたが、以前私がお世話をして、「健康管理手帳」石綿を取得された方の紹介で見えた。

磁器タイル、陶器タイル、テラゾウブロックタイル、研ぎ出しタイル、全て石綿含有製品である。切断時や、接着用の樹脂セメントを作るとき、モルタル混和材や接着補強樹脂にも石綿が含有されている。今週中にでも申請書を提出できるように準備したいと思っている。

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梅雨明けが近そう。

2012-07-07 22:26:20 | 日記・エッセイ・コラム

075 梅雨明けが近そうである。昨年初めて実を付けたサルナシの実がが、大きくなってきた。庭の草木も夏らしい香りを漂わせ始めた。

私はアスベスト患者だけが、「健康管理手帳」の対象者とばかり思っていたが、石綿を含め十種類の発がん性物質に対しても、国は「健康管理手帳」を交付していることを知った。それも、石綿以外の対象者からの相談がきっかけであった。その方は、自動車部品工場に十八歳から六十五歳までお勤めであったが、退職後、肺がんが見つかり、昨年手術を受けられたそうである。仕事の中で、発がん性のある「ベンゾトリクロリド」という物質を扱っていたそうであるが、労災対象になることを知ったのは、この六月だそうである。労災申請の仕方を相談にお見えになり、一週間かけて調べてみた結果、石綿を含め、十種類の物質について、国は発がん性を認め、「健康管理手帳」の対象者としていることがわかった。

ベンジジン、じん肺、クロム酸等、三酸化砒素、コールタール、ビス(クロロメチル)エーテル、ベリリウム、ベンゾトリクロリド、塩化ビニル、そして石綿である。

これらの物質は、多くが自動車産業の下請け会社の、部品製造過程で使われているようである。ただし「じん肺」は微小粉塵の存在するところでは、どこでも発症する可能性がある。我が広島県にも、蝋石を粉末にして「タルク」を製造している鉱山が存在するが、じん肺の多発企業である。この企業は、中皮腫の発症も見られる。蝋石に不純物として存在する石綿を含有しているからである。なんだか社会保険労務士か、弁護士の分野を担わされつつあるように思ってきた。

なぜこうしたことになり始めたのか考えた結果、労働災害に詳しい社会保険労務士や、弁護士の不在が原因だと痛感し始めた。現在日本では、癌の中で最も発生しているのは、肺癌である。これだけ多くの発癌性物質が、日常の生産活動の中で使用されれば当然に、肺癌を発症するであろうことは、容易に考えられる。

国民の安全より、経済界の要望に沿った政策が、国民の健康を奪っているのである。とはいっても、世界一の長寿国ではないかという人もいるかもしれない。しかし、世界的遺伝子調査でアフリカ、ヨーロッパ系人種とくらべ、北方系人種の日本人のあいだでは、癌の自然発生率の差は二倍であり、同じ栄養を摂取すると、二倍生きることはわかっている。アフリカ、ヨーロッパ系人種が8-10人に1人の癌発生率に対し、日本人は、18-20人に一人なのである。癌発生率が欧米に近づきつつあると言われてきたが、こうした国の厚生行政の影から、健康を脅かしているのは、食より社会環境であることが知れてくる。

今回の福島原発事故が、20年後どのような結果を示すのか、予想されそうである。脱原発を急ぐべきであろう。

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サリドマイドが抗癌剤?

2012-07-07 00:28:50 | 社会・経済

サリドマイドといえば私たちには薬害の典型的薬品としての価値観しかない。しかし、近年抗がん剤としての効能が検討され始めた。サリドマイドが薬害を引き起こした原因は、新しく血管を作ることに対し阻害する効能が存在した。女性の妊娠期に服用すると、胎盤や胎児の血管の発達が阻害され、その為に胎児に重大な障害を作り出した。それが、世に言う「サリドマイドベービィ」である。しかし、発想の転換をして癌を見直して見ると細胞の特徴は、自らが膨張拡大するために、周辺に大量の血管網を構築することである。増大するためには大量の栄養が必要で、それを得るためには、血管の増築をしなくては成らないのである。東京都が人口爆発にあわせ交通網が整備されたこと同じことが、癌の周辺で起こっていると思えばよい。其れならば、栄養補給路を遮断することがを増大させない一番の方策である。人間の戦争でも補給路を絶たれると軍は自滅する。其れを狙って、「サリドマイド」を使うのである。ドクターグリップでおなじみの 宇土 博 博士によると、癌の主な栄養は、炭水化物、糖分であるという。同じ兵糧攻めにするならタンパク質を主食にしたほうが効果があるという。タンパクダイエットにより癌の進行が止まった例もあるそうである。大学病院での治験でも効果が認められ、保健薬以外の薬として保険使用が認められたそうである。「毒を毒でもって制す」とはこの事である。今後の研究に期待しよう。

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