藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

1986年 ILOは

2012-07-01 18:07:03 | 社会・経済

1986年 ILOは次の条約を議決した。

1986年の石綿条約(第162号)
正 式 名 : 石綿の使用における安全に関する条約
(第72回総会で1986年6月24日採択。条約発効日:1989年6月16日。最新の条約。)

日本の批准状況:2005年8月11日批准登録 

条約の主題別分類:毒性物質・因子  条約のテーマ:労働安全衛生

[ 概 要 ]
 職業上の石綿へのばく露による健康に対する危険の防止と抑制、及びこの危険からの労働者の保護を目的とする。
 このために必要な法令の制定・定期的な見直しと十分な監督制度による実施が求められる。この法律規定には、青石綿及びその含有製品の使用禁止、石綿の吹き付け禁止、ばく露限界またはほかのばく露基準の設定と見直しのほか、可能な場合には石綿または石綿含有製品を無害または有害性の低い他の物質や製品などで代替させること、などが含まれる。
 さらに、もろい石綿絶縁材を含有する装置や構造物の取り壊し、及び石綿が浮遊する可能性のある建物・建造物からの石綿の除去は、当局が認定した資格のある使用者・請負業者等だけが担当できるとされる。
 また、使用者は、作業環境における浮遊石綿粉塵の濃度測定、労働者の石綿へのばく露監視、関係労働者に対する情報提供及び継続的な教育訓練の確保義務を負う。
 この条約を補足するため、同名の勧告(第172号)が同時に採択されている。

この条約を日本は何故に2005年まで批准しなかったのであろうか。

1986年とは、昭和61年である。ILOがこの条約を議決した裏には、日本の危機意識がなく、カナダからの石綿の輸出が日本向けのみであり、船舶労働者の健康に被害が及んだからだという説が存在する。昭和61年には、アメリカ軍施設の総てのアスベストが撤去され、ミッドウエー等の原子力艦さえも、ノンアスベスト化がなされていた。一部の企業が、カナダの鉱山と長期契約をしていたため、輸入を止めることが出来なかったという説もある。輸入業者は、独占的に輸入を続けてきた事は広く知れている処である。当時の政権が如何に企業と密着していたかの典型的例と思われる。理由は後から幾らでも付けられる。代替商品が無い。これだけの言葉で足りる。しかし、米英をはじめとする先進国は、その三年後に全ての施設からアスベストを、取り除いた。日本だけが、2005年にやっと批准したが、しかし撤去処分となるといまだ先の見えないままである。

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