藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

思わぬところにアスベスト

2012-07-12 18:30:42 | 社会・経済

Nisiyama 雨は上がった。しかし、空はどんよりとし、私の体も節々が悲鳴を上げている。アスベスト暴露者独特の痛みである。激痛ではないが、鈍く深く続く。痛み止めも効かない。明日は経絡治療に行く予定にして、他の約束をキャンセルした。

さて、皆さんがこんなところにもアスベストが?という物を紹介します。

皆さんが朝一番に召し上がるコーヒー。コーヒーには含まれていませんが、コーヒーカップの製作過程で使用される「タルク」と呼ばれる物の中に、嘗てアスベストが存在した。いや、今でも存在しているかもしれない。この「タルク」と呼ばれる物は、女性の一番大事な化粧品に大量に使用されている。ファンデーション等は、その代表である。しかし、日本の検査方法JISによる方法では、5%未満は検出不可能である。国際的に非難されているが、未だに検査方法を変える気持ちは無い様だ。ただ仙台市は、今回の震災により危機感を持ち、検査方法を国際基準に変えた。結果、これまでノンアスベストとされた物の中から、次々にアスベストが検出されて、解体業者が悲鳴を上げているそうである。

さて、何故にコーヒーカップにアスベストなのか。

大量生産される磁器は、型抜きされ表面を「タルク」で化粧される。つまり、女性のファンデーションを塗るのと同じ工程がなされる。工業製品であるから純度の高い「タルク」である必要が無い。それにこの上から上薬がかけられ、焼成される。アスベストは無害化されるが、同じ工程をとって製造されるタイルは、その貼り付け工程で、切断される。今日では電動工具が発達し、ダイヤモンドによる切断方法が一般的になった為、磁器の粉塵が切断工程で職人を襲うのである。こうして、タイル職人のアスベスト被害が生じる。昨日の来訪者もこうして胸膜肥厚になった。これらの事は、食器生産現場でも発生している。2009年「ニチアス」が韓国工場から日本に輸出してきた「タルク」が、韓国政府により摘発された。韓国は国際基準の検査方法で検査を行ったからである。「ニチアス」は、インドネシアに生産工場を移し生産を続けている。インドネシアは国際条約加盟国ではないため、アスベストの国際間の移動禁止に関する条約の制限を受けないため、どのような品質の物を輸出しようが関係を持たない。輸入元の日本が5%未満の検出方法を確立しない限り脱法的貿易を「ニチアス」つずけるに違いない。

皆さんに忠告します。国産品の化粧品は、アスベスト汚染の危険性があります。嘗ての国産品「ベビーパウダー」によるアスベスト被害が再び起きる可能性があるのです。

1981年アメリカでは、製造物責任法を楯に市民が一斉にアスベスト使用企業を告訴した。結果、その供給元の会社が責任追及され、倒産した。その結果その後の、アメリカ製の「タルク」にはアスベストは含まれていない。ジョンソン・アンド・ジョンソンのベビー・パウダーも安全のお墨付きがついている。ただし、国産品は、不明である。日本のタイヤメーカーは、輸出用タイヤと、国内販売用タイヤに使用する「タルク」を、使い分けているという噂が存在することを付け加えておく。