藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

梅雨明けが近そう。

2012-07-07 22:26:20 | 日記・エッセイ・コラム

075 梅雨明けが近そうである。昨年初めて実を付けたサルナシの実がが、大きくなってきた。庭の草木も夏らしい香りを漂わせ始めた。

私はアスベスト患者だけが、「健康管理手帳」の対象者とばかり思っていたが、石綿を含め十種類の発がん性物質に対しても、国は「健康管理手帳」を交付していることを知った。それも、石綿以外の対象者からの相談がきっかけであった。その方は、自動車部品工場に十八歳から六十五歳までお勤めであったが、退職後、肺がんが見つかり、昨年手術を受けられたそうである。仕事の中で、発がん性のある「ベンゾトリクロリド」という物質を扱っていたそうであるが、労災対象になることを知ったのは、この六月だそうである。労災申請の仕方を相談にお見えになり、一週間かけて調べてみた結果、石綿を含め、十種類の物質について、国は発がん性を認め、「健康管理手帳」の対象者としていることがわかった。

ベンジジン、じん肺、クロム酸等、三酸化砒素、コールタール、ビス(クロロメチル)エーテル、ベリリウム、ベンゾトリクロリド、塩化ビニル、そして石綿である。

これらの物質は、多くが自動車産業の下請け会社の、部品製造過程で使われているようである。ただし「じん肺」は微小粉塵の存在するところでは、どこでも発症する可能性がある。我が広島県にも、蝋石を粉末にして「タルク」を製造している鉱山が存在するが、じん肺の多発企業である。この企業は、中皮腫の発症も見られる。蝋石に不純物として存在する石綿を含有しているからである。なんだか社会保険労務士か、弁護士の分野を担わされつつあるように思ってきた。

なぜこうしたことになり始めたのか考えた結果、労働災害に詳しい社会保険労務士や、弁護士の不在が原因だと痛感し始めた。現在日本では、癌の中で最も発生しているのは、肺癌である。これだけ多くの発癌性物質が、日常の生産活動の中で使用されれば当然に、肺癌を発症するであろうことは、容易に考えられる。

国民の安全より、経済界の要望に沿った政策が、国民の健康を奪っているのである。とはいっても、世界一の長寿国ではないかという人もいるかもしれない。しかし、世界的遺伝子調査でアフリカ、ヨーロッパ系人種とくらべ、北方系人種の日本人のあいだでは、癌の自然発生率の差は二倍であり、同じ栄養を摂取すると、二倍生きることはわかっている。アフリカ、ヨーロッパ系人種が8-10人に1人の癌発生率に対し、日本人は、18-20人に一人なのである。癌発生率が欧米に近づきつつあると言われてきたが、こうした国の厚生行政の影から、健康を脅かしているのは、食より社会環境であることが知れてくる。

今回の福島原発事故が、20年後どのような結果を示すのか、予想されそうである。脱原発を急ぐべきであろう。


サリドマイドが抗癌剤?

2012-07-07 00:28:50 | 社会・経済

サリドマイドといえば私たちには薬害の典型的薬品としての価値観しかない。しかし、近年抗がん剤としての効能が検討され始めた。サリドマイドが薬害を引き起こした原因は、新しく血管を作ることに対し阻害する効能が存在した。女性の妊娠期に服用すると、胎盤や胎児の血管の発達が阻害され、その為に胎児に重大な障害を作り出した。それが、世に言う「サリドマイドベービィ」である。しかし、発想の転換をして癌を見直して見ると細胞の特徴は、自らが膨張拡大するために、周辺に大量の血管網を構築することである。増大するためには大量の栄養が必要で、それを得るためには、血管の増築をしなくては成らないのである。東京都が人口爆発にあわせ交通網が整備されたこと同じことが、癌の周辺で起こっていると思えばよい。其れならば、栄養補給路を遮断することがを増大させない一番の方策である。人間の戦争でも補給路を絶たれると軍は自滅する。其れを狙って、「サリドマイド」を使うのである。ドクターグリップでおなじみの 宇土 博 博士によると、癌の主な栄養は、炭水化物、糖分であるという。同じ兵糧攻めにするならタンパク質を主食にしたほうが効果があるという。タンパクダイエットにより癌の進行が止まった例もあるそうである。大学病院での治験でも効果が認められ、保健薬以外の薬として保険使用が認められたそうである。「毒を毒でもって制す」とはこの事である。今後の研究に期待しよう。