道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

熱中症から身を護る

2018年07月18日 | 健康管理
この猛暑の1週間、全国でほぼ1万人
が熱中症で救急搬送され、12人が亡くなったという。
 
テレビでは、どこの局のアナウンサーも気象予報士も、口を開けば「こまめに水を飲んで」とか「こまめに体を冷やして」と、揃いも揃ってオウムのような、ひとつ覚えの決まり文句を連発している。
 
声がけをすれば、1人でも2人でも、
熱中症から救えると盲信しているかのようだ。真剣に熱中症から人を救おうと自ら考えず、受け売りを機械的に発しているに過ぎない。思考は停止している。
 
熱中症予防には、先ず、下着、シャツ、ズボン、など身に着ける衣服を綿か麻に切り替え、ポリエステルまたはポリエステル混素材を身につけないことを提唱したい。特に高齢者と小児には、周りの者がそれに留意して、指導する必要がある。
 
夏の炎天下で作業着、防災服、ユニ
フォームなど、綿・ポリエステル混の布でつくられた衣料を身に着けるのは、老いも若きも注意が必要である。メーカーが涼しさを強調していても、真に受けないことだ。夜間のパジャマなども、100%綿か麻、または綿麻混をお奨めしたい。
 
理由は、当ブログの過去記事「吸汗遅乾素材のすすめ」('10.08.19)や「脱ポリエステル衣料」('11.07.04)などで再々警告してき
た、ポリエステルという繊維素材の放熱性の低さにある。ポリエステルというプラスチックは、本来水と親和性がなく断熱性が高い。熱の不良導体である。
 
ポリエステルを繊維にして織った布は、体熱を放散する機能が天然素材の綿、麻より劣る。体熱が籠もる性質の衣料と言える。だから綿または麻と混紡し、短所を補って製品化しているのだが、それは見方を変えれば綿・麻の長所を損なった製品ということでもある。純綿、純麻、綿麻混が酷暑の衣服には好適かと思う。
麻は通気性が高く吸湿性があり、断熱性は低い。綿は通気性は麻より劣るが、吸湿性は高く断熱性は低い。体熱を放出するに適した衣料であることは、歴然としている。
 
地球温暖化によって、日本列島が熱帯化しているのなら、熱帯地方の住民が大昔から着用していた衣料素材を参考にするのが自然と考える。彼の地方の住民の、古からの経験と生活の知恵に学ばなくてはいけない。麻の放熱性の卓れていることを体感すると、もうやめられない。以来、綿のインナー、麻の長袖シャツ(紫外線防御)が夏の定番になっている。
 
101日のごとく「こまめに水」を呼
びかけていず、メデイアの総力を挙げて、熱中症を防ぐ抜本的な対策を探しだし、それでキャンペーンを張ってもらいたい。そうでないと、コマーシャリズムに毒され、夏に消費者は誤った衣料を身につけ危険に身を晒す。
 
かつて小池現東京都知事が煽動した「クールビズ」とかいう、ワイシャツ・ノータイ服装のキャンペーンが大成功し、日本人に似合わない自堕落な服装が社会に定着した。彼女の諸々のメッキが剥げ、男性に対する妙な神通力も失われた今日、ネクタイを締めないスーツ姿の見苦しさに、疑問を感じ始めている諸氏も多いだろう。襟の高いワイシャツを身につけていては、ネクタイを外す程度でクールにならないことも思い知ったはずだ。
 
戦争に負けるまでの日本では、南方諸島の委任統治や仏印・蘭印進駐の経験から、麻のスーツを始め開襟シャツなど、熱帯に適した衣服を積極的に採り入れていた時代があった。インドをはじめ熱帯アジアを植民地化した英国人の現地での衣服は、その素材を現地人に倣っている。
 
浅はかな思いつきに過ぎないクールビズ程度の発想では防げない熱中症、今こそ、日本の夏の気候の本質を知り、それに適する衣料を真剣に考え直さなければ、炎暑による犠牲者は増すばかりだろう。

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