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フィレンツェのピエトロ・ロレンツェッティ「夕日の聖母」のこと

2013年01月15日 | モダンアート
私の書斎は現代美術を楽しむための小さなスペースであるが、オープンキッチンの後ろにイタリア・フィレンツェ時代の画家ピエトロ・ロレンツェッティの作品が架けてある。勿論本物ではないし、イタリア・アッシジの土産物店で買ってきたただのエスタンプだ(笑)。

 アッシジはイタリア中部、ウンブリア地方の丘の上に建つ、長さ5kmの城壁に囲まれた中世要塞都市である。ここには1253年に完成したゴシック様式のフランチェスコ聖堂があり、聖フランチェスコが眠っている。フランチェスコ聖堂の建築にはチマーブエやジョット、シモーネ・マルティーニ、ピエトロ・ロレンツェッティなど錚々たる芸術家たちが携わった。



 その一人、ピエトロ・ロレンツェッティは弟のアンブロージョと共にシエナ派の代表的画家として知られるが、その傑作の一つがフランチェスコ大聖堂の下堂に残されたテンペラ・フレスコ画『聖母子と洗礼者ヨハネと聖フランチェスコ』である。窓から差し込む夕日がその金色の背景に反射した時の美しさが素晴らしいことから、『夕日の聖母』とも呼ばれている。

 作品は聖母子が対等に視線を合わせて語り合う脇に洗礼者ヨハネと聖フランチェスコが立つ構図であるが、いまだ平面的な人物表現が主流であったと思われる14世紀のこの時代に、画期的な表現であったと思われる。(山下)



オープンキッチンに架けてあるエスタンプ『夕日の聖母』




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