TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

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❝銀座の夫婦善哉❞の悲喜こもごも人生にエール

2014年09月03日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
このところ、東邦画廊を訪ねる機会が何度かあった。山口長男や難波田龍起などの名品を見ることができる楽しみがあるからであるが、ご夫妻との会話も楽しい。以前ブログにご夫妻のことを❝銀座の夫婦善哉❞と書いたが、まさにその通りの人生である。
私は勿論絵が好きであるが、人間も好きだ。絵を商っている画廊主やコレクターの生き様を見て感動することもあれば学ぶこともあるが、特にご夫妻の人生には共感できることが多い。こういう出会いがあるのもコレクター人生の醍醐味かもしれない。いい絵を見ながら人生を語り合う、贅沢な時間に感謝!


この日も作品鑑賞の後、お誘いいただき京橋の美々卯で会食したが、お二人の思い出話にしみじみ感動、笑い転げてしまった。中岡氏は若い頃、故郷愛媛を出て苦労しながら上京、紆余曲折の末画商となるのであるが、当初は店を持たない風呂敷画商。見かねた某大手商社の役員が貴賓室を提供してくれ、暫らくここを倉庫代わりに営業していたとのこと、これは中岡氏の人徳によるものであろう。その後日本橋に画廊を開設、初日に来てくれた東郷青児に「あんまり狭いので倉庫かと思った」と言われました、と楽しそうに語る。
奥様は某銀行のOLであったが、思うところあり、東邦画廊に応募したのだが、画廊で最初に見た山口長男の絵にいたく感動したというから、元々絵心のある女性であったに違いない。ご親戚に日本画家速水御舟、兄上が画家であったことを伺って、納得。


 イタリア赤ワインで乾杯

思うに、中岡氏は自分の信念を貫くが故に群れない人、孤立無援の人生をを楽しんでおられる人とお見受けしたが、それを支えているのが奥様である。毎朝早く、奥様が茶をたて、中岡さんが庭の花を摘んで生けるなど粋な人生を送っておられる。素晴らしいではないか。お二人の夫唱婦随人生にエールをお送りしたい!
 




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