TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

「注目の現代作家と画廊散歩」
「我がルオー・サロン」
「心に響いた名画・名品」
「アート市民たち(コレクター他)」

清水玄太 石彫展 @東邦画廊

2014年06月06日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩


 安山岩を彫った石彫は、どれも素朴でユーモラスであたたか。清水さんの口調や雰囲気そのものです。彫る際には、素材そのものの形や表面を活かして、敢えて何も手を加えない部分を残しつくりあげているそうです。足すのでもなくて、引くのでもなくて、そのままに残す。言い換えるなら、この石彫たちは清水さんと安山岩自身との共作なのではないでしょうか。何かを表現したり伝えようとしているのは人間だけでない。草や木や石だって、何かを表現しようとしているにちがいない。そんな自然たちの意思をも、清水さんの作品は気付かせてくれます。もともとは石垣だったという安山岩を素材に使っていることを考えると、何百年も昔に生きた名も無き石工たちも、共作、コラボレーションの一員に加えていいのかもしれません。(山本理絵)

門倉直子展 @ギャラリー椿

2014年06月06日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
 このところ、ずっと少女の絵を描き続けているという門倉さん。少女というと連想されるのは、あどけなさや可愛さや未成熟さ。でも、門倉さんの描く少女は違う。見る側をグッと睨み強い眼差しを大きな瞳から送りつけてくる。「あなたは今、それで本当にいいと思うの?」と、弱い心や妥協や惰性に自省を促すような視線。不動明王や金剛力士像をふううーっとソフトにさせた睨みを感じます。不動明王のような絶対的な怖さがないだけに、逆にジャブのように効いてくる。そんな力を感じる少女たちです。(山本理絵)




(5月26日~6月7日)
ギャラリー椿 東京都中央区京橋3-3-10第1下村ビル1階