安山岩を彫った石彫は、どれも素朴でユーモラスであたたか。清水さんの口調や雰囲気そのものです。彫る際には、素材そのものの形や表面を活かして、敢えて何も手を加えない部分を残しつくりあげているそうです。足すのでもなくて、引くのでもなくて、そのままに残す。言い換えるなら、この石彫たちは清水さんと安山岩自身との共作なのではないでしょうか。何かを表現したり伝えようとしているのは人間だけでない。草や木や石だって、何かを表現しようとしているにちがいない。そんな自然たちの意思をも、清水さんの作品は気付かせてくれます。もともとは石垣だったという安山岩を素材に使っていることを考えると、何百年も昔に生きた名も無き石工たちも、共作、コラボレーションの一員に加えていいのかもしれません。(山本理絵)
安山岩を彫った石彫は、どれも素朴でユーモラスであたたか。清水さんの口調や雰囲気そのものです。彫る際には、素材そのものの形や表面を活かして、敢えて何も手を加えない部分を残しつくりあげているそうです。足すのでもなくて、引くのでもなくて、そのままに残す。言い換えるなら、この石彫たちは清水さんと安山岩自身との共作なのではないでしょうか。何かを表現したり伝えようとしているのは人間だけでない。草や木や石だって、何かを表現しようとしているにちがいない。そんな自然たちの意思をも、清水さんの作品は気付かせてくれます。もともとは石垣だったという安山岩を素材に使っていることを考えると、何百年も昔に生きた名も無き石工たちも、共作、コラボレーションの一員に加えていいのかもしれません。(山本理絵)