数年前、イタリア・フィレンツェを旅してミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ボッティチェリなどルネッサンス美術を堪能して来た。しかし、カラヴァッチョ作品は観る機会がなく残念に思っていたところ、今回、日伊国交樹立150年記念と題した国立西洋美術館での展覧会を観ることができ、かつ素晴らしい内容であったので、満足している。巨匠カラヴァッチョのことは日本でも余り知られていないのではなかろうか。私も現代美術が好きで、長いことモダンアートの作品を観てきたが、近年思うところあり、ルネッサンスからバロック期の西洋美術に関心を持って来た。そして辿り着いたのがカラヴァッチョであった。漆黒の闇の中から人間が浮かび上がって来るかのような光の表現に圧倒されてしまった。
作品「エマオの晩餐」
ミケランジェロ・メリージ・カラヴァッジョ(1571~1610)はイタリアが誇る天才画家であるが、西洋美術史上最も偉大な画家といってもいいであろう。その作品は聖書や神話の逸話をテーマにしたものが多いが、その劇的ともいえる明暗法による人物表現は独創的なものである。ルネッサンス美術においては、光はつねに画面全体に当たっているが、カラバッジョは画面のある部分を強調した光を当てるという表現方法に辿り着いたのである。こうして、カラバッチョはレンブラントなど多くの画家に影響を与えて来た。今回の展覧会においても、カラヴァッジョの画法を模倣し継承して来たカラヴァジェスキと呼ばれる画家たちの作品もたくさん展示されているが、イタリアのバルトロメオ・マンフレーデイの「キリストとの捕縛」など素晴らしい作品であった。
作品「法悦のマグダラのマリア」
そんな訳で、この展覧会、素晴らしい作品はたくさんあったが、私は特に「法悦のマグダラのマリア」「エッケ・ホモ」「エマオの晩餐」などに圧倒されてしまった。いい展覧会を観て、とても満足であった。
ワインを飲みながらの至福のひととき
作品「エマオの晩餐」
ミケランジェロ・メリージ・カラヴァッジョ(1571~1610)はイタリアが誇る天才画家であるが、西洋美術史上最も偉大な画家といってもいいであろう。その作品は聖書や神話の逸話をテーマにしたものが多いが、その劇的ともいえる明暗法による人物表現は独創的なものである。ルネッサンス美術においては、光はつねに画面全体に当たっているが、カラバッジョは画面のある部分を強調した光を当てるという表現方法に辿り着いたのである。こうして、カラバッチョはレンブラントなど多くの画家に影響を与えて来た。今回の展覧会においても、カラヴァッジョの画法を模倣し継承して来たカラヴァジェスキと呼ばれる画家たちの作品もたくさん展示されているが、イタリアのバルトロメオ・マンフレーデイの「キリストとの捕縛」など素晴らしい作品であった。
作品「法悦のマグダラのマリア」
そんな訳で、この展覧会、素晴らしい作品はたくさんあったが、私は特に「法悦のマグダラのマリア」「エッケ・ホモ」「エマオの晩餐」などに圧倒されてしまった。いい展覧会を観て、とても満足であった。
ワインを飲みながらの至福のひととき