よむよま

よむ・よまない、それから。

Kバレエ「海賊」

2017-05-26 22:51:58 | 見る
Kバレエ「海賊」オーチャードホール
5月25日に見てきました。

バレエ「海賊」というと、よくコンクールやガラで踊られる男女のパ・ド・ドゥしか浮かばない。
上半身裸のきわめて派手な動きの男、俺様のこの身体能力を見よ!と言わんばかりの踊り。
私は、てっきりこの男と踊っているお姫さまが恋人同士なんだと思ってました。
でも、そうじゃなかったのね、この上半身裸の男は、海賊のボスに仕えている奴隷、
お姫さまと思ったのはそのボスの恋人だった。
じゃ、なんでこの二人が踊ってるの?

「海賊」全幕ものを見るのは初めてだったかな、よく覚えてないんだけど、
熊川哲也演出は、芝居の流れがよくわかるようになっている。
芝居の部分が、(踊り手の演技も)、とてもいいの。
海賊コンラッドの船が難破して流れ着いたギリシャの浜で助けてくれた美女がメドーラ、
そこに奴隷商人がやってきて、メドーラと仲間の女性たちをさらって行ってしまう。
奴隷市場で富豪のトルコの総督に買われるメドーラたち。
そこにコンラッドが部下たちと乗り込んできてチャンバラになって、女性たちを救い出す。

奴隷市場でのメドーラたちの踊りもすばらしくて、
ここまでの第一幕は波乱万丈のストーリーがよどみなく進んで、おもしろかった。

第二幕になると、海賊のアジトで救い出した女性たちの踊りがあるんだけど、
3人の女性の踊りが、急に古典バレエの決まり事というか、
全員で踊って一人ずつで踊って次はこうでというパターンどおりの展開で、ここが退屈しちゃった。
芝居の部分の演出と食い違って感じたし、長い。

このアジトの場で、例の有名なバレエシーンがあるのですが、
全幕だとコンラッドとメドーラと奴隷アリ、3人で踊るわけですよ。
関係はわかった、しかし、なんで3人で踊ってるの?
恋の踊りじゃないの?わからんわー。

その後、コンラッドの部下ビルバントが裏切って奴隷商人にメドーラを渡してしまい、
トルコ総督の屋敷へ連れ去られた彼女を追って、再び救出劇があって、
最後はハッピーエンドなんだけど、
奴隷アリはコンラッドをかばって撃たれて死んでしまうの。
まあ、かわいそう。だって、単品であの場面だけなら二人で踊って、完全に主役なのに。
役としては奴隷商人と、裏切り者ビルバントが、踊る見せ場も多くて、カッコよかったね。
全体としてドラマが見やすくて、おもしろかった。

メドーラ:中村祥子
コンラッド:遅沢佑介
アリ:伊坂文月
グルナーラ:小林美奈
奴隷商人:堀内将平
ビルバント:杉野慧
コメント
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