よむよま

よむ・よまない、それから。

映画「無限の住人」

2017-05-12 22:35:59 | 見る
映画「無限の住人」
5月11日、やっと見た!
凄かったね、おもしろかったよ。
原作は漫画だそうですが、まったく知らないので、原作から見てどうなのかはわからないが、
娯楽映画としてぜいたくな映画だった。

主人公の侍は、ある事情によって人を斬り、妹も失い、追手に殺されたところで、
不思議な老婆に、傷を治してしまう「虫」を体に入れられて不死の身になって生き続ける。
両親の敵を討ちたいと願う少女の用心棒となって、
江戸の剣術道場を支配しようとする一派を相手に戦うことになる。
不死なんだけど、戦えば斬られる、斬られれば痛い。
だから、ただただずっと痛い思いをし続けていくってことなのよね。

妹と少女を、二役で杉咲花がやっていて、迫力の熱演。
ぐっさんとやってるCMぐらいしか知らなかった、よく頑張ったねえ!
敵の一派の頭目が福士蒼汰、きれいな水色の着流しに羽織姿で(ちょっと髑髏城の蘭兵衛に似てるか)
美しいのですが、着物の中に黒いTシャツ着てるように見えるのが気になった。
たぶん原画のデザインに沿ってるんだと思うけど、黒Tみたいに見えちゃうの。あれ、ないほうがいいよね。
福士くんもよく頑張ったねえ!
大変な殺陣も、頭目としての芝居も、全然弱くないです。

次々と襲ってくる、戸田恵梨香や市原隼人、みんなアクションこなして見ごたえあるのですが、
中で市川海老蔵がいいのです。
ほかの者と違い、彼も実は老婆(八百比丘尼、なんと山本陽子がやってる)によって不死の身にされている。
海老蔵、よかったわー。

そして、主役の木村拓哉。
よく、キムタクは何をやってもキムタクと言われることがあるけど、
実は私もそう思ってます。
それは、スターと俳優の違いでもあると思う。
スターにはそういう一面がある。
田村正和という人はまさにそう。何をやっても田村正和だし、それによってドラマがダメなわけではない。
木村くんは田村二世だなと思ってた。モノマネもそっくりだけど(笑)。
この映画ではそのスター性が邪魔にならず、まるごと生かされて魅力になってる。
昭和の歴代の時代劇スターたちに負けてないって感じ。
ラストシーンの最後のセリフを言ったところで、わあ、この人、魅力的なスターだと感じさせた。

木村くんは意外に明るい質を持ってるんだね。どこか明るさがある。
勝新太郎ほど愛嬌があるわけじゃないけど。

画面は血みどろのぐちゃぐちゃで大変です。
しかし、その血みどろの画面を見ながら思わず笑っちゃうシーンもあるの。
海老蔵の背中が「剣山」みたいになってるところとか、
戸田恵梨香がガンガン襲ってきてたのに突然反省し始めちゃうところとか、
木村くんが胸を突き抜けたオソロシイ刃を自分でぐぬぬぬと抜くところとか、
(痛そう!でも、オカシイのよ)
木村くんが、自分の斬れてる手首を手繰り寄せて、刺さってる刃を見て、
「めんどくせえ」とつぶやくところとか。
(物凄い絵ですが、でも、オカシイの)

誰でもぜひとオススメできる画像ではないです。
田中泯さんなんか、斬られた上半身だけでずってるし。
しかし、大変おもしろかったです。
過激なチャンバラが見せ場の、超娯楽時代劇でした。
コメント
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