今月は納涼(若手中心)なので三部制、勘九郎さんは全部に出てるので全部見る。今日は第一部。
お芝居「ゆうれい貸屋」
怠け者の桶職人の弥六(巳之助)の長屋に辰巳芸者の幽霊(児太郎)が現れて、恨みを晴らしたい人に幽霊を貸し出す商売をしようと持ち掛ける。自分のほかにまじめな屑屋(勘九郎)爺さん(94歳の寿猿さん)婆さん(喜太郎)浮気な町娘(鶴松)の幽霊を呼び出して、お客の用途に合わせて派遣する。なんやかんやあって、まじめな屑屋に「人生、生きていてこそだ。生きている間をこそ、大切にしなければ」と言われて目覚めた弥六がまっとうな職人に立ち帰り、実家に帰っていた女房も戻ってきて、幽霊も成仏して、ハッピーエンドに終わるコメディ。
巳之助・児太郎コンビ、全然悪くない。ほかの人たちも、テンポ悪いとかへたとか、そんなことないんだけど、勘九郎さんの屑屋が登場すると、空気が変わると言いますか、芝居がうまくてホッとするの。急にテンポがはずむ?立体的になる?という感じなんですよ。
前にもそういうことがあったんですね。鶴松くん主演の「豊志賀の死」で、勘九郎さんが登場すると客席がホッとするという現象が。鶴松くん緊張した大熱演だったのでね。
今回、勘ちゃんほんとにうまい役者になったんだねと思いました。あと、新悟さんの女房がとってもよかった。首から腕へのラインがきれいで。
舞踊「鵜の殿様」
NHKアナの山川静夫さんがむかし脚本を書いた狂言舞踊なんだそうです。幸四郎・染五郎父子が今年博多座で上演して好評につき、歌舞伎座初演となった。
鵜飼いというものをやってみたいと言う大名(染五郎)、日ごろのうっぷんを晴らそうとする太郎冠者(幸四郎)が、大名に鵜の役をやらせて、縄を巻く所作をして、その縄を引っ張って、大名がこけつまろびつの大騒動!やがて、大名が役を交替して、今度は太郎冠者がこけつまろびつ!三人の腰元(笑也・宗之助・高麗蔵)が鵜の役をやってます。
縄はエアなので、二人が息を合わせて、引っ張り・引っ張られるのを見せないといけない。大名は長袴だし、盛大に転んでるので、これ一ヶ月やるのは大変そう。お父さんともどもお怪我のないように。染五郎くんが演技力上がったんだなと思いましたね。この子、素質ないのかしらと思ってましたけども。
楽しい舞踊でしたが、似た趣向の「棒しばり」に比べると、ちょっと長いなぁと感じちゃうかな。たぶん、転ぶ繰り返しが単調なのかな。
でも、お気楽で楽しい二本でした。暑気払い!
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