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『点と線』

2025-04-12 11:33:43 | 映画いろいろ

 U-NEXTの無料キャンペーンに乗ってみた。そこで懐かしいこの映画を見つけた。原作を中学生の頃に読み、4分間のトリックも含めてその面白さに興奮した覚えがある。

『点と線』(58)(1977.12.3.日本映画名作劇場)

 福岡の香椎海岸で青酸カリを飲んだ産工省の課長補佐・佐山(成瀬昌彦)と割烹料亭「小雪」の仲居・お時(小宮光江)の遺体が発見された。

 所轄署は心中と判断するが、ベテラン刑事の鳥飼(加藤嘉)は何か引っかかるものを感じる。一方、産工省の汚職を追う警視庁捜査二課の三原警部補(南廣)は、佐山とお時を東京駅で目撃したと証言した機械工具商社社長の安田(山形勲)に疑念を抱く。

 雑誌『旅』に連載された松本清張の原作が単行本化されたのとほぼ同時に製作されたので、国鉄と西鉄の香椎駅、アリバイに使われた東京駅の様子、寝台特急あさかぜ、湘南電車、青函連絡船など、当時小説を書く上で清張が見たであろう景色が、ほぼそのままの形で映像化されたことになる。なので、今となってはドキュメンタリー的な面白さも生じるのだ。

 俳優陣は、三原警部補役の南廣はデビュー作ということで拙さが目立つが、鳥飼役の加藤嘉、三原の上司役の志村喬、同僚刑事役の河野秋武、安田役の山形勲、安田の妻の亮子役の高峰三枝子といったベテラン陣が脇で支えている。

 テンポよく85分でまとめた小林恒夫監督の手腕はなかなかのもの。亮子の部屋の熱帯魚の水槽や時刻表といった小道具、佐山とお時の死体の周りでうごめくカニの群れの不気味な映像処理など見るべきところも多い。木下忠司のジャズ風の音楽も効果的。東映製作ということで、清張作品を数多く映画化した松竹の野村芳太郎監督作とはタッチが違うが、これはこれで面白い。


「新日本風土記」「松本清張と鉄道」 旅と松本清張
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ae1666b12778daf8b73a569d6ec7b9a7


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