偉大なライオンの王ムファサの息子としてアフリカの大地に生まれたシンバは、王座を狙う叔父のスカーの策略によって父を失い、王国から追われる。
1994年にアニメーション映画として製作され、97年には舞台化された『ライオン・キング』が、アニメでも実写でもない、全てがCGで作られた“超実写版”として新たに登場。監督のジョン・ファブローは『ジャングル・ブック』(16)でも、この“超実写”を用いたが、今回は人間が一人も出てこないという点に新味がある。
動物がちゃんと口を開いて人間の言葉を発するところに、最初は違和感を覚えるが、段々と慣れてきて、最後は、よくもまあこんな映像を作ったものだと感心させられる。ただ、アニメ版よりも音楽が強調されているので、動物たちによるミュージカルシーンも展開するのだが、さすがにこれはちょっとなじめなかった。
さて、今なぜまた『ライオン・キング』なのか? という問いに対して、ファブロー監督は「アイデンティティの発見、生命の円環(「サークル・オブ・ライフ」)といった普遍的な要素を持つ物語を、新たな媒体を使って表現することに興味があった」と語る。映画監督が新たな表現方法を見付けたら、それを使いたくなるのが人情ということなのか。
かつては、実写が困難とされた題材がアニメで作られたが、映像技術の発達もあり、今は、アニメで作られたものをCGを使って実写化するという流れがある。これも、ある意味”円環”と言えるのかもしれないなあ。
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