『女咲かせます』(87)(1988.1.7.銀座松竹.併映は『男はつらいよ 寅次郎物語』)
美女泥棒のデパート襲撃事件と恋の顛末を描く。結城昌治原作の『白昼堂々』の再映画化。
久しぶりに山田洋次と森崎東が並んでラインアップされた形となり、メジャーに復帰した森崎の手腕やいかに、と期待したのだが、残念ながら10年以上前の野村芳太郎の『白昼堂々』(68)の単なるリメークに見えなくもなかった。
川谷拓三、名古屋章、田中邦衛、平田満、梅津栄、草野大悟ら、脇役たちが頑張っているのに、主演の松坂慶子がどうもいけない。『白昼堂々』の岩下志麻との差は歴然。少々うがった見方をすれば、松竹は彼女を持て余しているのではないか、という気さえしてくる。
そして、やはり日本では『スティング』(73)や『テキサスの五人の仲間』(66)のような、軽快な犯罪映画は作れない。どうしてカラッとしない妙な人情話にしてしまうのか、という不満が残った。森崎東にベタな人情噺は似合わないでしょ。
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