田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『SUPER8/スーパーエイト』

2023-02-01 00:08:53 | 映画いろいろ

『SUPER8/スーパーエイト』(2011.6.20.パラマウント試写室)

 スピルバーグが製作し、若いJ・J・エイブラムスが監督した異星人もの。舞台は1970年代のサバーブ(郊外の町)、しかもキャッチコピーは「僕たちは、ひとりじゃない」と来れば、『未知との遭遇』(77)の「We are not alone」を思い出す。しかもスピルバーグとエイブラムスとの浅からぬ縁を強調されると、ひょっとして『未知との遭遇』の跡継ぎかと期待が高まった。

 見てみると、幼なじみのグループが8ミリで撮るゾンビ映画の製作過程に、謎の宇宙生物の存在を絡めた二段構えだったが、『未知との遭遇』や『E.T.』(82)に比べると過激でブラックなところが気になった。

 この違いは、スピルバーグとエイブラムスとの時代差が生んだものなのか。幼なじみのグループが遭遇する恐怖や不思議という点では、スピルバーグのものよりも、スティーブン・キング原作の『スタンド・バイ・ミー』(86)『IT』(90)の方が味わいは近いかもしれない。

 結果は、全体的には整理不足で構成も甘いから途中でだれてしまうのだが、エンドクレジットで流れるジョージ・A・ロメロ風の8ミリゾンビ映画に救われる思いがした。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『オットーという男』 | トップ | 『Single8』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画いろいろ」カテゴリの最新記事