「広重ぶるう」(NHKプラス)
文政13(1830)年。歌川(安藤)広重(阿部サダヲ)は、家業の火消しで生計を立てながら絵師をしている下級武士だった。派手な美人画や役者絵の全盛期であるにもかかわらず、広重の地味な画風は売れず、もがいていた。妻の加代(優香)だけは、広重を気丈に励ましながら、質屋に通い、身を削って夫を支えていた。
ある日、広重はベロ藍という舶来絵具で描かれた絵の美しさに衝撃を受ける。やがて版元となる竹内孫八(髙嶋政伸)と出会い、「ベロ藍=広重ブルー」を駆使した「東海道五十三次」を描き上げる。
これまで語られることが少なかった広重を、共に歩んだ妻との夫婦の物語としてドラマ化。原作・梶よう子、脚本・吉澤智子。今は全くはやらない“夫に尽くし励ます女房”の美しさを、女性が描いているのが興味深い。昔のことを、全てが時代遅れと否定するのではなく、こうした形の生き方があったことを知らせるのもドラマの役割。絵師(クリエーター)としての広重の苦悩もよく描かれていた。
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