『エネミー・オブ・アメリカ』(98)(2012.10.18.文教学院大学「映像で読み解く英米社会講座」)
政府が国民の生活を監視(盗撮、盗聴)し、管理するのは是か非か。本当のアメリカの敵=エネミーとは…。ウィル・スミスが事件に巻き込まれる弁護士を演じ、国家安全保障局(NSA)高官のジョン・ボイト一味と対決する。
オープニングでいきなり大物俳優のジェイソン・ロバーズが殺され、しかもノンクレジットのカメオ出演だったことに驚いた。ボイト一味にはめられたスミスが一人で逃げ回るが、中盤で元NSAのジーン・ハックマンが登場し、バディムービーの様相を呈す。
無意味なアクションに走り過ぎたところはあるが、それを立派にこなす老優ハックマンの姿に感動する。ハックマンをキャスティングしたのは、彼がプロの盗聴屋を演じたフランシス・フォード・コッポラの『カンバセーション…盗聴…』(74)(盗聴屋が盗聴される側になった皮肉と恐怖を描いて秀逸な映画)へのオマージュだったのだろうか。
そう言えば、先頃、自ら命を絶ったこの映画の監督トニー・スコットとハックマンは『クリムゾン・タイド』(95)でもタッグを組んでいた。
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