田中雄二の「映画の王様」

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『ナイス・ガイズ』

2017-08-21 10:31:02 | 新作映画を見てみた

2はもう少し考えて作ろうよ



 暴力示談屋のヒーリー(ラッセル・クロウ)と酒浸りの私立探偵マーチ(ライアン・ゴズリング)が、失踪した女の捜索でコンビを組み、ポルノ映画のフィルムを巡る謎を追うことになる。この凸凹コンビに マーチの13歳のませた娘ホリー(アンガーリー・ライス)も絡んできて…。

 製作ジョエル・シルバー、監督、脚本ショーン・ブラックは、『リーサル・ウェポン』シリーズのコンビ。夢よもう一度とばかりに作ったようなバディ・ムービーだが、残念ながらテンポが悪くて締まらない。ギャグや小ネタも端々に入れ込んでいるのだが、不発弾が多い。『リーサル・ウェポン』のようなシリーズ化を目論んでいるのだとしたら、2はもう少し考えて作ろうよ、といった感じだ。

 1977年が舞台だけに、またも「セプテンバー」(アース・ウィンド&ファイアー)「ジャイヴ・トーキン」(ビージーズ)「名前のない馬」(アメリカ)「エスケイプ」(ルパート・ホルムズ)「ラブ・アンド・ハピネス」(アル・グリーン) といった懐メロが大量に流れる。このパターンは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズしかり、『ベイビー・ドライバー』しかりである。

 最初は懐かしさにかまけて喜んでいたが、こうも続くと何だか安易な感じもしてきた。時代や心情を表す際に、いささか曲に頼り過ぎてないかい? と思うのである。

 それにしても、ラッセル・クロウの太り具合は、思わずメタボ仲間か? と思わされ、他人事ながら心配になる。デ・ニーロ以来、俳優は役によって肉体改造をするようになった。もしやクロウは太ったきり戻らなくなったのか…。


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