今回のお題は『夕陽に向って走れ』(69)
幾つか落穂拾いを
『明日に向って撃て!』と同年に製作されたニューシネマ西部劇。撮影はどちらもコンラッド・ホール。当時キャサリン・ロスの恋人だったからか、両作とも彼女を目いっぱい美しく撮っているように見える。
監督のエイブラハム・ポロンスキーは赤狩りでブラックリストに載り、長い空白を経ての監督作ということで、赤狩りへの怒り、差別、デマが広がるさま、被害者意識といったものを、この映画の主人公ウィリー(ロバート・ブレイク) に仮託して描いたのだろうと思われる。
この映画のプロデューサーのジェニングス・ラングは、1951年、彼と妻のジョーン・ベネットとの不倫を疑った『駅馬車』(39)のプロデューサーのウォルター・ウェンジャーに銃で脚を撃たれた。
スーザン・クラークは、ラングがプロデュースした「エアポート」シリーズに、ジョージ・ケネディの妻役で連続出演。ラングのお気に入りだったのか。
ロバート・ブレイクはイタリア系で、子役時代は『黄金』(48)などに出演。この映画のほかにも、『冷血』(67)やテレビシリーズの「刑事バレッタ」などで活躍したが、2002年に妻の殺害容疑で逮捕された。
最近、この映画が描いた実際の事件を基に、ジェイソン・モモアが脚本を書き、出演した『The Last Manhunt』が完成したようだ。50年の間に、この事件に関する意識がどう変わったのか。とても興味がある。
「BSシネマ」『夕陽に向って走れ』
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