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映画の王様

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ビデオ通話で西部劇談議『女群西部へ!』

2025-03-29 16:26:05 | 駅馬車の会 西部劇Zoomミーティング

 今回のお題は、ウィリアム・A・ウェルマン監督、ロバート・テイラーと多彩な女性たちが主役の異色西部劇『女群西部へ!』(51)

 西部開拓時代のカリフォルニア。牧場主のロイ・ウィットマン(ジョン・マッキンタイア)は、雇った牧童たちを結婚させたいと考え、護送役のバック・ワイヤット(ロバート・テイラー)を伴って、シカゴで花嫁を募る旅に出る。

 しかし、三千キロを隔てた女たちを連れ帰る復路には幾多の困難が待ち構えていた。140人の女性たちの過酷な旅を描く異色西部劇。製作はドア・シャリー、原作はフランク・キャプラ、監督はウィリアム・A・ウェルマン。

 キャプラの原作ということで一度見てみたいと思っていた映画。実際に見てみると、女性たちによる幌馬車での大移動という西部開拓史の外伝的なストーリーとして興味深く映った。ある意味、女性たちが主役の硬派なフェミニズム映画ということもできる。『女群西部へ!』というのは珍しくいいタイトルだ。

 バックの相棒となるイトウ役のヘンリー・ナカムラがいい味を出している。イトウがたどたどしい日本語でぶつぶつ言っていると、バックから「今何て言った」と聞かれて英語で返すというやり取りが面白かった。ハワイ出身で、この映画と同じくドア・シャリー製作の『二世部隊』(51)にも出ているようだ。


プロデューサー、ドア・シャリー
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b7808ec46d7d1e0202a21cfa96a762b4


 

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篠田正浩の映画『悪霊島』

2025-03-29 08:16:01 | 映画いろいろ

『悪霊島』(81)(1990.2.10.) 

思い出ぼろぼろ 

 この映画は自分にとって少々いわくのあるものとして存在している。というのもこの映画は学生当時のバイト先であった東洋現像所の技術検討試写会で見るはずだったのだが、ちょっとした事件に巻き込まれて見逃してしまい、以来、約10年たった今になってやっと見ることができたからである。 

 何故こんな思い出話から書き始めてしまったのかと言うと、この映画は主人公である古尾谷雅人扮する青年が、1980年のジョン・レノンの死をきっかけにして自身の最も思い出深い時代として70年代初頭を回顧する一種の青春ドラマとして話が進んで行く。

 同じように自分自身の青春時代だった80年代初頭にこの映画が作られ、殺人ほど大げさではないにしろ、その後の自分を大きく変えるような事件が当時のわが身に起こっていたと90年代にいる今の自分は半ば懐かしく振り返れたからだ。つまり時代差や身に起きた事件の違いこそあれ、ある意味ではこの映画の主人公の心情に同化することができたのだ。

 従って、 市川崑による金田一シリーズにあったようなユーモアのかけらも見られず、全く違う視点で撮られ、鹿賀丈史の金田一耕助像も石坂浩二ほどには好感が持てず、単に映画として見比べてしまえばあまり好きにはなれないのだが、映画を見たり、音楽を聴いたり、本を読んだりといった作業は、その作品の出来がどうあれたまたま何かのきっかけで自分史の中で妙に引っ掛かって忘れられないものとして刻み込まれてしまうものがある。その意味では、この映画を10年後の今、初めて見られたことが公開当時に見るよりも自分にとっては意味深いものとして感じられたのだろう。

 そう考えると、映画を見るという行為はそれを見る時期や自分自身の状態によって、例えそれがどんなものであろうとその映画はある個人にとっては忘れられないものに成り得るのだし、それがまた映画を見ることの大きな魅力や要因になっているのだろう。あらら、全く見た映画から話が逸れてしまった。

 ところで、この映画はジョンの死から始まり、途中で「ゲット・バック」が流れ、最後は「レット・イット・ビー」が流れて終わるのだが、80年のポール・マッカートニーの成田での逮捕、ジョンの死から10年。 まだ安心してはいないものの、ついにポールが来日公演を行うという時の流れが一層自分を過去の思い出に走らせてしまったのかもしれないという気もする。 

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