田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『コンテイジョン』

2020-04-03 10:51:40 | 映画いろいろ

『コンテイジョン』(11)(2011.10.5.ワーナー試写室)

 ミッチ(マット・デイモン)の妻ベス(グウィネス・パルトロー)は、香港への出張後に、せきと熱が出始める。同じころ香港、ロンドン、東京で似たような症状で亡くなる人が続出。フリージャーナリストのアラン(ジュード・ロウ)は、伝染病ではないかと考え始めるが…。

 未知のウイルスによる感染症がアメリカで発生し、やがて世界中に蔓延していく様子を描く。公開当時のキャッチコピーは「【恐怖】は、ウイルスより早く感染する」。コンテイジョンとは「伝染」の意。

 未知のウイルスの蔓延を描いた映画としては『復活の日』(80)『アウトブレイク』(95)がある。それらが、ウイルスの脅威を描きながら、根底ではエンターテインメントとして成立させていたのに比べると、この映画は、淡々としたドキュメンタリー的なものを感じさせる。

 スティーブン・ソダーバーグ監督は、雑多なキャストを使って、ややこしい話を1時間半あまりにそつなくまとめているが、「どうだ、うまいだろ」と主張しているようなところがあって、少々鼻に付く。

【今の一言】好みの映画ではなかったが、今や、新型コロナウイルスの感染拡大を最もリアルに予測した映画、という評価もできるのかもしれない。

【ほぼ週刊映画コラム】新型コロナウイルスの感染拡大の今こそ見たい!『復活の日』と『アウトブレイク』https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5bd0c8d6f6de824bbedd54c0edaf9a93

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『勝利への脱出』

2020-04-03 09:53:12 | 映画いろいろ

『勝利への脱出』(80)(1984.12.1.ゴールデン洋画劇場)

 第2次世界大戦中にドイツ軍の捕虜となった連合軍兵士とドイツ代表との間で行われたサッカーの試合と、その背後で進められた脱走計画を描く。

 巨匠ジョン・ヒューストンが監督し、シルベスター・スタローンやマイケル・ケインといったスターに加えて、元ブラジル代表で“キング”と呼ばれたペレが出演。華麗なプレーを披露したほか、サッカーのテクニカルアドバイザーも務めた。

 ヒューストンは、何かを成し遂げようとしながら、結局挫折してしまう男たちの、夢の空しさを描かせると天下一品の監督なので、この映画には不向きだった気がする。何より、肝心のサッカーの試合の描写が、ペレ以外は盛り上がりに欠けるのだ。

 晩年のヒューストンには、この映画や『アニー』(82)のような、なぜ監督したのか疑問に思えるような作品もあった。

【ほぼ週刊映画コラム】「映画で楽しむ“サッカーワールドカップ”」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e755163fec33c86918791ad782ef9c6a

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