『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(90)(1990.7.23.日比谷映画)
タイムマシンのデロリアンが飛行中落雷に打たれ、ドク(クリストファー・ロイド)は1885年に飛ばされてしまった。ドクを救うため、マーティ(マイケル・J・フォックス)は1955年のドクの協力の下、修理したデロリアンで西部開拓時代の1885年にタイムトラベルする。
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(89)という壮大な予告編に続いて、いよいよ完結編の登場である。『PART2』を見た際、「テレビシリーズじゃないんだぞ」と怒りの声を上げたが、あれだけ中途半端なものを見せられたら、どうしたってその先が見たくなるのが人情だ。
だから、そんな文句を言いながらも、結局見てしまう自分のような者をターゲットにした見事な商魂だとも言えるだろう。と、嫌味の一つも言いたくなる。何故って、上映前のCMにしても、やれ『ロボコップ2』だ『ダイ・ハード2』だ、では何だか悲しくなってくるからだ。とは言え、そんな苦情をもろともせず、大いに楽しい映画を作られて、こちらもそれを喜んで見ているのだからこれでは本末転倒だ。
さて、このシリーズを改めて3作通して考えてみると、一作目はマーティ、二作目は悪役ビフ、そしてこの3はドクというように、タイムマシンを使ってそれぞれの人生に収拾をつけたのだ、とも言えるのだが、これだけ騒がせておいて、最後は「結局未来は白紙だよ」と言われたら、これは一種の詐欺である。
だが、一作目から5年余りの間、これだけ楽しくだまし続けてくれたのだから、そして映画とは、いかに観客をだましていい気持ちにさせるかが勝負なのだから、これはあっぱれな詐欺だったと称賛したい。などと、随分と回りくどい言い方になってしまったが、これは、本意ではない続き物で大いに楽しんでしまった自分に言い訳をしているだけなのだ。
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https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f579610ea047636d14bb6a45215031d1
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スクリーン「さようなら、最後の「午前十時の映画祭」より