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映画の王様

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『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』

2019-09-10 12:47:38 | 映画いろいろ
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(90)(1990.7.23.日比谷映画)

 

 タイムマシンのデロリアンが飛行中落雷に打たれ、ドク(クリストファー・ロイド)は1885年に飛ばされてしまった。ドクを救うため、マーティ(マイケル・J・フォックス)は1955年のドクの協力の下、修理したデロリアンで西部開拓時代の1885年にタイムトラベルする。
 
 バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(89)という壮大な予告編に続いて、いよいよ完結編の登場である。『PART2』を見た際、「テレビシリーズじゃないんだぞ」と怒りの声を上げたが、あれだけ中途半端なものを見せられたら、どうしたってその先が見たくなるのが人情だ。
 
 だから、そんな文句を言いながらも、結局見てしまう自分のような者をターゲットにした見事な商魂だとも言えるだろう。と、嫌味の一つも言いたくなる。何故って、上映前のCMにしても、やれ『ロボコップ2』『ダイ・ハード2』だ、では何だか悲しくなってくるからだ。とは言え、そんな苦情をもろともせず、大いに楽しい映画を作られて、こちらもそれを喜んで見ているのだからこれでは本末転倒だ。
 
 さて、このシリーズを改めて3作通して考えてみると、一作目はマーティ、二作目は悪役ビフ、そしてこの3はドクというように、タイムマシンを使ってそれぞれの人生に収拾をつけたのだ、とも言えるのだが、これだけ騒がせておいて、最後は「結局未来は白紙だよ」と言われたら、これは一種の詐欺である。
 
 だが、一作目から5年余りの間、これだけ楽しくだまし続けてくれたのだから、そして映画とは、いかに観客をだましていい気持ちにさせるかが勝負なのだから、これはあっぱれな詐欺だったと称賛したい。などと、随分と回りくどい言い方になってしまったが、これは、本意ではない続き物で大いに楽しんでしまった自分に言い訳をしているだけなのだ。
 
All About おすすめ映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f579610ea047636d14bb6a45215031d1
 
スクリーン「さようなら、最後の「午前十時の映画祭」より
 
 
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『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』

2019-09-10 11:16:02 | 映画いろいろ
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(89)(1989.12.30.シネマ1)

  
 

 1955年から1985年に戻ったマーティ(マイケル・J・フォックス)の前に、ドク(クリストファー・ロイド)が現れ、未来のマーティの息子が窮地に陥ると告げる。それを回避するため、マーティと恋人のジェニファー(エリザベス・シュー)とドクは30年後の未来(2015年)にタイムトラベルするが…。
 
 前作の終わり方を見れば“続き”が作られることは当然予想できた。その後、同じスタッフ、キャストで作られるという話が伝わり、続編にはほとんど期待しない自分も、実のところ心待ちにしていた。それは言うまでもなく、前作が圧倒的に面白かったからであり、その後ゼメキスが撮った『ロジャー・ラビット』(88)も、実験的な面はあったが、大いに楽しめたので、いよいよ安定してきたなと思ったからである。
 
 だが、マーティとドクの掛け合いは相変わらず楽しかったが、残念ながら前作の面白さを超えてはいなかった。一つはPART3』が並行して撮られたためか、話が尻切れトンボのようになってしまったことに加えて、前作で強烈な印象を残したマーティの父親役のクリスピン・グローバーの不在によって、話に無理が生じたことが大きな理由だろう。まあ、その代わりに悪役ビフのトーマス・F・ウィルソンが頑張ってはいたが…。
 
 ところで、最近頻繁に作られる続き物だが、『エイリアン』『インディ・ジョーンズ』のように、オリジナルとは違うコンセプトで撮るか、さらにスケールアップでもしない限り、オリジナルを超えることは難しい。特にこの映画の前作のように、一応ハッピーエンドにしたものを、話を蒸し返して複雑にすればなおさらだ。
 
 ただ、スピルバーグ+ゼメキスのずるいところは、そう感じさせながらも、「こうなったら最後まで見なくては」と思わせて、『PART3』を見ることを余儀なくさせるところである。何でも『PART3』の舞台は西部開拓時代とか。ちゃんと収拾を付けてくれるのだろうか。
 
 それにしても、ちょっとした歴史の書き換えには随分と手間が掛かる。まあ実際にはこんなことはできないのだから、それも当たり前なのだが…。今回の小道具では、何と言っても「スポーツ年鑑」が目立った。実際、未来の結果を知っていれば金儲けには大いに役立つが、結果の分かっているスポーツ観戦ほどつまらないものはない。その意味では、われわれは、良くも悪くも未来を知らないからこそ、生きていけるのかもしれない。ふと、そんな気がした。
 
【今の一言】今やこの映画では"未来”だった2015年もとっくに過ぎてしまった。『2001年宇宙の旅』(68)『ブレードランナー』(82)もそうだが、映画で描かれた未来と、実際は大きく違ったわけだ。となると、SF映画は現実を超えた未来図を描いていたことになる。
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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

2019-09-10 08:49:50 | 映画いろいろ
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)(1985.12.9.日本劇場)
 
  
 
 
 1985年、高校生のマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)は、親友のドク・ブラウン(クリストファー・ロイド)が発明したタイムマシンの実験に駆り出される。ところがテロリストの襲撃に遭い、マーティは図らずも30年前の1955年にタイムスリップしてしまう。
 
 あのスピルバーグの迷作『1941』(79)の脚本を書いてしまったロバート・ゼメキス&ボブ・ゲイルが見事に復活した。とにかくこの映画には、細部まで凝りに凝った脚本のうまさに思わずうならされてしまう。
 
 最近のタイムスリップものでは『ファイナル・カウントダウン』(80)『フィラデルフィア・エクスペリメント』(84)が思い出されるが、それらと比べても、現在と過去の描き方やつながりに全く無理がない。冒頭の現在の描写がタイムスリップ後の過去にことごとくつながり、時の流れが作り出すおかしさを見事にストーリーに取り入れていた。
 
 加えて、この映画のすごいところは、暗さが全くないところだ。例えば、スピルバーグが大好きなロッド・サーリングのテレビシリーズ「トワイライトゾーン」にも、こうした過去へのタイムトラベル話は多く見られるのだが、そのほとんどが現実逃避から過去へ戻る話なのである。従って、主人公や周囲の状況には暗い影が色濃く出ていた。
 
 ところが、この映画の主人公のマーティは必死になって現代に戻りたがる。つまり、昔は良かった式の後ろ向きの考えが全くなく、常に前向きなのだ。その意味では、この映画はもちろんプロデューサー、スピルバーグの影響大ではあるが、ゼメキス&ゲイルの明るさと、スピルバーグのノスタルジー癖が適度に混ざり合い、見事なSFコメディとなったといえるだろう。マーティ役のフォックスをはじめ、マッドサイエンティスト役のロイド、そしてマーティの父親役のクリスピン・グローバーが光った。
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