ジョン・フォード生誕120年を記念して、シネマート新宿で『駅馬車』と『静かなる男』を上映中。
http://mermaidfilms.co.jp/johnford/
まずは、もう何度見ているか分からない『駅馬車』。7人の乗客と保安官と御者を乗せ、アリゾナからニューメキシコまでをひた走る駅馬車。何と言ってもその疾走感が素晴らしい。そして、個性豊かな俳優たちが繰り広げる人間ドラマや、モニュメント・バレーなどの圧倒的な景観を見せながら、メロドラマとアクションを見事に融合させたフォードの演出が光る。しかも、これだけさまざまな要素を盛り込みながら上映時間は何と99分! まさに映画の教科書と言える、名作中の名作だ。
今回は「ジョン・ウェイン所蔵の35ミリプリントを基に、デジタル・リマスター化した高品質の映像で上映」といううたい文句の通り、画面も音も予想以上にクリアになっていたのがうれしい。字幕も新たなものになっていた。陰影に富んだモノクロ映像の魅力を再確認しながら「オレは今本当にいい映画を見ているなあ」と思ったら何だか泣けてきた。こんなことは珍しい。やはり映画は映画館で見るべし。
パンフレット(62・東宝事業課(日比谷映画劇場 No62-2))の主な内容
ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン/解説とみどころ(岡俊雄)/梗概/「駅馬車」の音楽について」(岡俊雄)/駅馬車出演者こぼれ話(淀川長治)