人間が人間を殺すことは、想像する以上に難しいことです。
もし、戦争へ行くことがあったら、命を守るため敵兵を殺すことを割り切る自信がありましたが、この本を読んで自信がなくなりました。
第二次世界大戦まで、敵兵を前にして銃を撃てる人間は15~20%しかいなかったと言う事実です。つまり、ライフルを持った10人の分隊兵士のうち、敵を前にして発砲できる人間は2人程度、あとの8人は弾薬を補充したり通信したり別のことに没頭するか呆けているか射撃以外の仕事をし始めるというのです。
しかも、相手を殺すつもりで狙いをつけて撃てるのは、全体の2%。他は、敵の上に向けて撃つことくらいしかできないのだそうです。
敵兵一人殺すのに5万発の弾丸を使っているのだそうで、前線の兵士の無能っぷりは目に余るようです。アメリカ軍では、それを殺せるようにある訓練することになり、朝鮮戦争では発砲率を55%、ヴェトナム戦争では95%までに上昇することに成功しました。しかし、このことは、心的外傷性ストレス障害となって帰還兵を襲うこととなり、アメリカの社会問題と化してしまいました。
人の目が見える距離で戦うことは強度のストレスとなり、普通の人間には考える以上に耐えがたいことのようです。
他にもいろいろ、戦場の意外な一面が語られていて、戦争観が変わりました。
ただ、この本に取り上げられている数値が他の本より少しオーバーに誇張されている感がありました。それによって事実が曲げられるほどではありませんが、鵜呑みにはできないと感じました。使われている心理学が古くさい(フロイトの2大本能論など)感じもします。しかし、効果が出ている事実があるので、それが間違っているとは言えません。著者は学者ではなく軍人なので、ややプロバガンダ的な要素も匂いますが、それを差し引いても、読む価値がある本だと思いました。
むぎわらサンは私の趣味を知り尽くしてるみたいですね。
もう、目からウロコ状態です。
戦争の本質を見事にぶち抜いた著書だと思います。
早速、記事にしたいと思います。
悪しからずです。
ロシア軍がボコられる本質が見えたような気がします。
記事の方も楽しみにしています。