終戦直後の日本を舞台にした悪漢小説。
東大生の天才が法律スレスレの事業を興して警察にとらわれるのですが、その友人で主人公である鶴岡が詐欺を企画して彼を救います。
その後、天才は死に、その後を継ぐ形で主人公が悪の道に踏み込んでいきます。
次々に詐欺を成功させ、巨万の富を築いていくのですが、少しずつほころびが見え始め、凄腕の警察に追い詰められていきます。
債権の偽造など、現在では使われることのないテクニックが出てくるので、返って安心して読めるところもよかったですね。
特に終戦直後の混乱期から始まるので、社会情勢も不安定で悪人が暗躍する雰囲気も抜群でした。
角川映画の三作目となり、「オオカミは生きろ、ブタは死ね」のコピーを覚えている人もいるでしょう。
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