長野県/司法書士竹内利一♪【黒姫法律実務研究所】

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扶養義務者に対する扶養費負担額を定める民事調停

2012-06-06 | Weblog
最近,生活保護制度に関して何かと話題になりました。

不正受給は良くないことですし,論外ですが,
まじめにコツコツがんばってきた人が,最後のセーフティネットとして,
生活保護を利用できなくなってしまっては,本末転倒です。

民法に規定されている扶養義務に関する877条から881条までのわずか5条だけ。
民法には,扶養義務に関する規定があります。
また,
生活保護法77条では,
都道府県または市町村の長が支弁した生活保護費を扶養義務者から徴収できることが規定されています。

【民法】
  第七章 扶養
(扶養義務者)
第八百七十七条  直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2  家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3  前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。
(扶養の順位)
第八百七十八条  扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。扶養を受ける権利のある者が数人ある場合において、扶養義務者の資力がその全員を扶養するのに足りないときの扶養を受けるべき者の順序についても、同様とする。
(扶養の程度又は方法)
第八百七十九条  扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。
(扶養に関する協議又は審判の変更又は取消し)
第八百八十条  扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。
(扶養請求権の処分の禁止)
第八百八十一条  扶養を受ける権利は、処分することができない。

【生活保護法】
(費用の徴収)
第七十七条  被保護者に対して民法 の規定により扶養の義務を履行しなければならない者があるときは、その義務の範囲内において、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の全部又は一部を、その者から徴収することができる。
2  前項の場合において、扶養義務者の負担すべき額について、保護の実施機関と扶養義務者の間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、保護の実施機関の申立により家庭裁判所が、これを定める。
3  前項の処分は、家事審判法 の適用については、同法第九条第一項 乙類に掲げる事項とみなす。