打倒!破廉恥学園

旋風寺武流PLが意味もなくただ、だらだらと掻き散らかすブログです。

勇気のかけそば

2007-10-31 16:28:59 | Weblog
凄い事をしてきました。

なんと昼に近所のそば屋でかけそばのみ注文したのです。注文しただけじゃなく食べてしまったのです!

……何言ってんだこの野郎的な事を仰るかもしれませんが、かけそばのみですよ、かけそばのみ。

考えてもみてください。あなたはかけそばのみを注文することができますか?とくに男性の方。二十歳をこえた男が……何の具も乗っていないかけそばを注文する。世間体やそーいうものを気にせずにかけそばのみを注文するのは勇気がいるのではないでしょうか。

そもそもなんでこーいう事を敢行したかと言えば、本で「本当のそば好きはかけを食べる。それが粋だ」と書いてあったからです。私だってそば好きです。でも、24年間生きてき一度もかけそばを食べた事がない。これじゃ本当のそば好きと言えないではないですか。私だって粋になりたい!

そんなわけで、よく行くチェーン店のそば屋に駆け足で行ってまいりました。頃は11時半くらいかな。客の入りは三分の一といったところか。

らっしゃい、と馴染みのおじさんに言われてからすぐに一人席に座り。なるべく大きな声で「かけそばを」と伝えました。

するとおじさんは「かけそば?」と聞き返してきました。嗚呼、やっぱりかけそばだけを頼む人は少ないのだな。いつもは聞き返したりしないもの。きつねそばに玉子載せて、とかかきあげをうどんで……という注文には何も言わずに頷くだけなのに。

私はあらためて頷けば、周囲をこっそりと見回した。他の客たちはこのかけそば野郎に対して何を思うか……。こいつ金がないのかとかそーいう憐れみの目で見つめているのではないか?もしそんな目で見る奴がいれば首根っ子を抑えつけて説明しないといけない。これは粋なのですよ、粋……と。

幸いな事にみんな、自分の器を空にする事に勤しんでいるらしく、私に興味を示すものはいなかった。ホっとしたけど、少しさみしい。

10分後、かけそばがやってきた。何の具も乗っていないそば……と思いきや、この店のかけそばにはわかめとかまぼこが一枚乗せられていた。

嗚呼、なんとかまぼことわかめのありがたいことか。小金色の出汁の海に投げ出された漂流者が休むことができる場所……それがわかめとかまぼこの島だ。これを頼りにかけそばを食べて行こうと思った。

ちなみにこの店はネギと天かすは入れ放題だ。しかしそれは入れない。なぜならそれを入れてしまっては豪華すぎてかけそばを食べる意味がなくなってしまうから。

いつもより少し気取った手つきで割りばしを割る。本当のそば好きは割りばしを割るのにも優雅さを求めるのではないかと考えての事だ。いつもはかきあげやらで油の浮いている出汁が、今日は澄み切っている。それを一口啜ってみる。

あ。美味しい……純粋に出汁の美味しさが楽しめる。なるほど、かけというのはこういう利点があったのか。それからそばを一口。うん、そばが唇を通る感触も少し違うぞ。油が含まれていないから滑りがなく、そばがほんの少し抵抗をして口の中に入っていく。

ここでかまぼことわかめが役に立つ。分け入っても分け入っても…という歌があったが、食べても食べてもそばでは味気ない。そこに食感の違う両者が口直しになる。

かけそばは食べ終わるのも早い。5分程度ですっかり食べ終えてしまった。本当のそば好きは食べ終えたらすぐに立ち去るものだと思うのですぐにお勘定をしてもらう。290円……いまどきこんなに安く済む外食もないね。

店を出た後、少し胸を張ってみた。これで本当のそば好きになれたはずだ。

でも、こんな事を自慢する事のは粋じゃないよね。

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