打倒!破廉恥学園

旋風寺武流PLが意味もなくただ、だらだらと掻き散らかすブログです。

「清須会議」感想(本当にネタバレ含む!)

2013-11-12 01:21:28 | Weblog
観てきましたよー。

この作品はですね。先週放映していた「ステキな金縛り」みたいなコメディを期待している人は、ちょっと肩透かしを喰らうかもしれないです。でも更科六兵衛さんは出てきましたよ。

たしかにコメディ要素はふんだんにあります。勝家と香の物の下りや、旗取り大会(小説ではイノシシ狩りでした)は非常に笑えました。

むしろですね。大河ドラマ「新選組!」が好きで、戦国時代も大好きという人(私みたいな人ね)にはとても楽しめます。

あとストーリーに直接関係ないけど、秀吉の指が六本あった説を採用しています。秀吉は執拗に右手を手袋で隠していましたから。

とにかくキャラクターがしっかりしてるんですよ。まあ、戦国時代好きな人が考えるテンプレート的なキャラクターではありますけどね。

柴田勝家……直情的な熱血漢
羽柴秀吉……明るい切れ者
丹羽長秀……冷静な策士
池田恒興……優柔不断
前田利家……律義者
織田信雄……うつけの皮をかぶったたわけ
織田信孝……生真面目な凡人

「織田家の跡取り」を決める清須評定(会議)後に、登場人物たちがどんな人生を歩むかを知ってから観るのが、この映画の正しい楽しみ方だと私は思います。面白いけど、ちょっぴり切ない。そんな映画でした。



(以下、ネタバレなので注意!)






この「清須会議」は、織田家の跡取りを決める会議ではありますが、同時に「誰が織田家家臣のイニシアティブを取るか」を決める会議でもあります。織田家古参の柴田勝家か、明智光秀を討伐して日の出の勢いの羽柴秀吉か。他の織田家家臣たちは、どちらに付くかを選ばなければいけません。

作品で強く浮き彫りになっていたのは、勝家と秀吉の「大局観」の差でした。

秀吉は信長の跡を次いで天下人を目指しています。しかし勝家は織田家筆頭家老までしか望んではいませんでした。そこが二人の「器量」の差が出てきます。

その差が、評定に参加する池田恒興を味方に引き入れるための勧誘方法にも出ています。

秀吉は池田恒興に「俺の味方をしてくれたら、領地配分の時に好きな国をやるぞ。官位も貰ってやるぞ」と誘います。自分を担げば出世もさせるし、豊かにもしてやるぞ、と言っているのです。

逆に勝家は「儂の味方になれば、毎年越後の米を送ってやろう。越前の蟹も送ってやろう。うまいぞ!」と誘います。

秀吉は恒興を将来の大名として扱っています。秀吉が天下人になれば恒興は大名にしてやれますからね。でも勝家は恒興を織田家の後輩としてしか扱っていませんでした。



まあ、ここからは本当のネタバレになっちゃうんですけどね。



今までの秀吉を扱った作品で清須会議は、秀吉が信長の孫の三法師を手なずけて織田家のイニシアティブを取ろうとします。しかしその秀吉に三法師を担がせるように「仕組んだ」松姫の業の深さにびっくりでしたよ。うーむ、そう来たか!と唸ってしまいました。裏の裏のそのまた斜めって感じ。