「新米婦警キルコさん」を読む

どれ、たまには漫画の新規開拓でもするかと会社帰りにネットカフェに寄る。

各出版社順に並んでいるコミックコーナーをぐるりと一回り。ピタっと眼に止まったのが平方昌宏・作の「新米婦警キルコさん」だった。絵柄が私好みだ。

読む。かなり面白い。私の好きなスラップスティック・コメディだ。どんなストーリーかというと、警察官でもどうしようもないはみ出し者が送られる鱧川警察署流島分署にやってきた新米婦警音無キルコさん。彼女は元凄腕の傭兵だった……という話なのです。キルコさんと愉快な仲間たちの織りなすドタバタコメディですね。

とても面白いと思ったのですが、残念ながら3巻で終わっています。ややネタバレになってしまいますが、作品内におけるラスボス的犯罪者が、最近の警察を舞台にした作品に出てくるサイコパスでは「ない」ところがいいです。作者もおまけページに書いていましたが、この作品に極悪人は必要ありません。

惜しい。まったく惜しい。連載が長続きしなかった原因を勝手に考えてみたけど、やっぱりキルコさんの「巨乳」という設定が活かしきれなかったんじゃないかな。もうちょっと揺らしてくれれば……ぷるる～ん（←声に出して読みたい日本語）って感じに。水着回もあったけど、あまりセクシーさは感じなかった。もしかしたらこの作者はサービスシーンを描くのを恥ずかしがるタイプなのかもしれない。……まあ、描きたくないなら無理に描かなくてもね。いいと思うよ。

それと狂言回しというか、読者視点であり実質的な主人公である安錠先輩がゲスすぎるかな。あえて小者っぽく描かれているんでしょうけど、なんとなく後味が悪いですよ。

キルコさんのキャラクターはいいですよね。武器がトンファブレイドってのがカッコいい。驚いたり怒った時にトシちゃん風（マカロニほうれん荘）の口になるのが可愛い。

作者はとても才能のある人だと思うので、次回作も読みたいと思う。覚えたぞ！平方昌宏！！