福岡ラーメン考

福岡はラーメン激戦区だ。

天神・博多ととにかく街を見渡せば、ラーメン屋がある。その大半がとんこつラーメンだ。

福岡のとんこつラーメンの特徴は、まずはストレートな細麺ということにある。これはなぜかというと、福岡のラーメンシステム替え玉が原因だ。

替え玉とは、麺だけをお代わりすることだ。麺だけなのでラーメン自体もう一杯食べるよりも安く100円くらいで食べられる。

しかし気をつけてもらいたいのは本当に麺だけなので、スープを飲みきった後に注文しても、スープはもらえないということだ。

麺がストレートなのは、スープがあまり絡まないようにしているからだろう。ちぢれ麺はスープがよく絡むためにちぢれができている。替え玉のためにスープの消費を抑えたいならストレートの方がいいだろう。麺にスープが絡まない方がいい。

そしてなぜ細麺か。太麺だと食べ応えがありすぎて替え玉をする気力がなくなってしまう。これは不確定情報だが福岡のラーメン麺は普通のものより量が少ないと聞く。だから簡単に替え玉が食べられるのだ。高校時代の友人に替え玉を七つ食べた奴がいる。たいした男だ。

あと福岡にはラーメンを注文する時に「カタ」と申告する人が多い。「カタ」とは「申し訳ないですけど、麺を普通よりも硬めに茹でてくれませんか？」という意味だ。私もラーメンを頼む時はカタにする。肉で言えばレアだ。

よく天ぷらなどを揚げる際、海老の天ぷらはやや中身がレア状態で仕上げるのが良いとされる。余熱が丁度良く芯まで温め、食べる時にベストの食べ時になるそうだ。それと同じで、細い麺も硬めに茹でたほうが、スープの熱で食べる時に丁度良い加減になるのではないかな、と私は思っている。

福岡のラーメンは基本的に安い。天神にも300円以内で食べられる店がある。替え玉入れてもワンコインだ。最近は高級志向のラーメン屋も増えているが、ラーメンというのはあくまで大衆的な食べ物なのだ。その心をラーメン屋は忘れないでもらいたい。