サタンコールをもう一度

なぜ？　もう一度、なぜと口にしてしまう。声優の郷里大輔さんがお亡くなりになりました。

郷里さんと言えば私の世代でいえばドラゴンボールのミスターサタンですよ。今テレビでやっているのも、セル編に入れば出てくる予定だったのに……もうあのサタンの渋いけど剽軽な声が聞けないと思うと、首の筋が痛くなります。

このニュースを知る少し前に、野球選手だった小林繁さんが亡くなったことで、父親が非常に動揺していました。父は野球が好きなのです。その落ち込み方を傍目で見ていて「ふーん、そんなものかね」とドライに構えていたのですが、今はその気持ちがよくわかります。

少年時代から積み上げてきた思い出の中の一つだからです。思い出はブロックやレンガのように一つずつ積まれて今の私を作っていきます。その思い出ブロックが一つ消えるごとに、脆く崩れそうになるのです。その消えた思い出が良ければ良いほどに。

郷里さんといえばサタンはもちろん、ゲゲゲの鬼太郎の閻魔大王もやってらしましたね。あとはサクラ大戦の斧彦さんか。まだいっぱいあるのですよ。でも今、ぱっと思いつくのがこれだけしかないのです。

時代が遠のいていくなあ。変な言い方だけど、そう思わざるをえないんです。