そういえばブラックジャックでいしかわじゅんとキスしてたな

とある漫画家さんが公式ブログでアニメ「けいおん！」を「空虚だ。ギャグもナンセンスもユーモアもエログロもストーリーらしきものも何もない。ちょっとしたフェティシズムがあるだけ。このアニメ作ってる人も見てる人々も不気味。そんなに現実イヤなのか？　この気持ち悪さはメイドカフェにも通じるものがあるな。原作のかきふらい『けいおん1』読んでみたらまァまァのほほえましいほのぼの4コマ漫画だ。原作生かせよ！」とブログで書かれました。

私はこのアニメが好きだったのでそれを聞いた当初は「ふん、本当に現実から逃げだして失踪して酒に逃げたあなたには言われたくないやい！」と憤りを感じたものですが、考えてみればこの人、作品に行き詰って失踪したんですよね。漫画家というのはオチを毎回考えなければなりません。特にギャグ漫画家ともなればオチに精力を込めるわけで。最近の4コマ漫画にはオチなんてないじゃん的なものもありますけどこの漫画家さんの時代は違ったのだと思います。

そう考えたらアニメ版のけいおんを観て、なぜこれが人気があるのか首を捻るのもわかるような気もします。大したオチはありませんからね。女の子たちがほのぼのまったりとして日々が過ぎて行くっちゅう……

私はこういう感じが好きなんだけどなー。あの、話が少し飛びますけどアニメ版のセーラームーン。あれが私をオタクの道へと引っ張りこんだと思うのですが、当然原作の方も読みました。でも全然好きにはなれなかったのです。

なぜなら……原作のセーラームーンってすんごい話がディープなんですよ。結構簡単に人が死ぬしね。死に方もヘビィです。小学生にはちょっと重たすぎる話だったと記憶しています（ずっと読んでない）。

逆にアニメの方は、月刊誌の原作に合わせてやっていたらあっという間に内容が追いついてしまうのでアニメだけの「観なくても大局に支障のない話」が大量に作られます。私はそんな話が大好きだったのです！　むしろ敵の本拠地に乗りこむ辺りからは「えー。もう戦っちゃうんだ」とがっかりしていました。ビデオで観返すのも支障のない話ばかりです。

私がアニメ版のけいおんが好きなのは、そういう支障のない話の空気をたっぷりと持っているからだと思います。梓加入の際にひと悶着ありましたが、私は「いや、そんなに真面目にやらなくてもいいんじゃないかな！？」と彼女に諫言の一言くらい言ってやろうと思いましたもの（アニメの登場人物に本気になっちゃいけないな）。

まぁ、漫画家さんの好き嫌いはともかくとして、どうして自分がこの作品を好きなのか考えさせてくれるいいきっかけにはなったかなーと思う次第です。

人間たまには「なぜ自分はこれが好きなのか」と考えてみるのは大事なことみたいですね。