反則酢豚

近所の総菜屋でよく酢豚を買う。うまいから。

この店は量り売りでしかもセルフサービスだ。だから、ついつい偏ったバランスで器に盛ってしまう。この店の酢豚は豚肉、たまねぎ、ニンジン、ピーマン、たけのこ…と実にカラフルだ。

でも私がついだ器はほとんど茶一色。

豚肉とたまねぎしか盛らない。なんという反則。でも、量が同じならニンジンやたけのこより肉の方がいいのが健康的な成人男子の思考ではないでしょーか。

茶一色に盛られた器をレジまでもっていって勘定してもらう。まさしく酢豚。文字通りすっぱいあんかけに絡まった豚肉のから揚げ……しか入ってないよ。

この反則でもあり、純粋な酢豚を目の前にしてレジのおねーさんの心情はいかばかりか。客商売というのは本当に大変だ。こんなえげつない客に対しても笑顔でないといけないのだから。

しかもこの客、持って帰って食べた酢豚に対して「冷めてるから脂身の部分がまずいなあ」とか不平不満を述べてやがるし。