竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

遅桜なほもたづねて奥の宮  虚子

2017-02-10 | 虚子鑑賞
遅桜なほもたづねて奥の宮





虚子 春の句10句(30)
やはりいずれも確かな韻と
定型での叙景感が明らかなものばかり
一読平明で分かりやすい

掲句は10句のなかから私の選んだ1句
私にもこんな実体験があったように思われる(丈士)

斯く翳す春雨傘か昔人

春山の名もをかしさや鷹ケ峰

一片の落花見送る静かな

くぬぎはらささやく如く木の芽かな

草間に光りつづける春の水

両の掌にすくひてこぼす蝌蚪の水

行人の落花の風を顧し

おもひ川渡れば又も花の雨

此の村を出でばやと思ふ畦を焼く


【遅桜】 おそざくら


花時に遅れて咲く花。春の盛りを過ぎて、大方の花が散りすぎた後、時を遅れて咲きでた桜に、昔から一種の珍しさと哀れさを感じ取った。

山坂や風傷みして遅ざくら  秋元不死男
遅桜北指す道の海に添ひ  野澤節子
雲霧にこずゑは見えず遅ざくら  飯田蛇笏
一もとの姥子の宿の遅桜  富安風生
遅桜河口に雨のつづきをり  宇田喜代子
顳?(こめかみ)のさびしく動く遅ざくら  山上樹実雄
埋木に非ず彦根の遅桜  甲斐すず江
楢山の景をうすめて遅ざくら  森 澄雄
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