遅桜なほもたづねて奥の宮
虚子 春の句10句(30)
やはりいずれも確かな韻と
定型での叙景感が明らかなものばかり
一読平明で分かりやすい
掲句は10句のなかから私の選んだ1句
私にもこんな実体験があったように思われる(丈士)
斯く翳す春雨傘か昔人
春山の名もをかしさや鷹ケ峰
一片の落花見送る静かな
くぬぎはらささやく如く木の芽かな
草間に光りつづける春の水
両の掌にすくひてこぼす蝌蚪の水
行人の落花の風を顧し
おもひ川渡れば又も花の雨
此の村を出でばやと思ふ畦を焼く
虚子 春の句10句(30)
やはりいずれも確かな韻と
定型での叙景感が明らかなものばかり
一読平明で分かりやすい
掲句は10句のなかから私の選んだ1句
私にもこんな実体験があったように思われる(丈士)
斯く翳す春雨傘か昔人
春山の名もをかしさや鷹ケ峰
一片の落花見送る静かな
くぬぎはらささやく如く木の芽かな
草間に光りつづける春の水
両の掌にすくひてこぼす蝌蚪の水
行人の落花の風を顧し
おもひ川渡れば又も花の雨
此の村を出でばやと思ふ畦を焼く
【遅桜】 おそざくら
花時に遅れて咲く花。春の盛りを過ぎて、大方の花が散りすぎた後、時を遅れて咲きでた桜に、昔から一種の珍しさと哀れさを感じ取った。
山坂や風傷みして遅ざくら 秋元不死男
遅桜北指す道の海に添ひ 野澤節子
雲霧にこずゑは見えず遅ざくら 飯田蛇笏
一もとの姥子の宿の遅桜 富安風生
遅桜河口に雨のつづきをり 宇田喜代子
顳?(こめかみ)のさびしく動く遅ざくら 山上樹実雄
埋木に非ず彦根の遅桜 甲斐すず江
楢山の景をうすめて遅ざくら 森 澄雄
遅桜北指す道の海に添ひ 野澤節子
雲霧にこずゑは見えず遅ざくら 飯田蛇笏
一もとの姥子の宿の遅桜 富安風生
遅桜河口に雨のつづきをり 宇田喜代子
顳?(こめかみ)のさびしく動く遅ざくら 山上樹実雄
埋木に非ず彦根の遅桜 甲斐すず江
楢山の景をうすめて遅ざくら 森 澄雄