竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

春暁や雑木林で神に遇う

2015-02-28 | 
春暁や雑木林で神に遇う たけし





朝歩をしていると夜明けが日々早まっているのが鮮やかである
暗い空が徐々に明るみ晴れの日は一気に赤く染まってくる

家々に朝日が眩しい
畦道には水蒸気が陽炎のようにたちあがる
道脇の雑木林が灯を反射して綺羅綺羅していて美しい

荘厳なものに出会ったような感動があった
ここに神様がお休みだったのだろう
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春灯や介護する灯も学ぶ灯も

2015-02-27 | 
春灯や介護する灯も学ぶ灯も    たけし





春の朧夜にかすむ灯り
家々のぼんやりと浮かぶ門灯
灯りのついている部屋の灯り
受験生はもう最後の追い込みに余念が無いところだろう
また毎日の介護をする人される人の部屋にも灯はともる
たくさんの灯り たくさんの思い




春灯は歳時記にはこんな解説であった

春の夜のともしびで、殊に朧夜には一種の艶な感じがある。
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春の雲笑みに眼ぢから聾学生

2015-02-26 | 
春の雲笑みに眼ぢから聾学生 たけし





電車に元気な女学生の集団が乗り込んできた
やおらに大きなジェスチャーで話しはじめる
声は聞こえない 聾学生なのだ

はつらつとして明るい
笑顔で目には眩しい力がみなぎっている

車窓には春の雲
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目刺食む大きなおせわ進化論

2015-02-25 | 
目刺食む大きなおせわ進化論






地球上の生物の絶滅危惧種が増加しているらしい
実際はたくさんの種が過去にも絶滅してきたのだろう

生存は環境に順応できる能力の種の特権だろう
力の強い種が何億年も永らえた種を維持した例はない

人間は放射能に順応できるかう否かが重要だ
生き残るキーワードと言えるかも知れない

放射能を浴びて変異を繰り返した人間の生き残り
こんな進化をして種の保存を望むことはない

目刺を頂きながら
進化しないしあわせを味わった

食事がみんな丸薬で足りる時代はごめんこうむりたい
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時あらば千里も飛ばん松の芯

2015-02-24 | 
時あらば千里も飛ばん松の芯 たけし





植物の生存能力というか逞しさ
その不思議な営みに驚異することは多い
しばしば動物をはるかに超える能力を感じる

松の芯 ときに松ぼっくりの姿をみせる
山火事になったりすると
とてつもなく遠い所まで跳ね飛ぶのだという
百年千年に一度の天変地異のたけの
用意を毎年怠らないわけである

何億年もその種を維持するには
とてつもない学習が生きている

さて人は・・・・
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犬喰わぬひと悶着に蕨餅

2015-02-23 | 
犬喰わぬひと悶着に蕨餅 たけし






夫婦喧嘩は犬も食わない よいう
たしかに少しの時間がたつとなんで争ったかを
思いつかないくらいなものだほとんどだ
何事もなかったようにお茶を飲み
蕨餅 でもあればその話に興じるばかり


こんな注釈があった

何でも食う犬でさえ見向きもしないという意から、夫婦間の細かい内情などは知りがたいものだし、すぐに元に戻るようなことなのだから、ほうっておけばよいということのたとえ。
「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」「夫婦喧嘩は犬も構わぬ」ともいう。
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春の雲交わす眼ぢから聾学生

2015-02-22 | 
春の雲交わす眼ぢから聾学生 たけし






入試の季節である
悲喜こ交々のシーンの世相がみえるのも近い

これは健常者だけではない
聾唖者の学生に遭遇したが
その手話の動きは素早く
眼の力に弱さは微塵もなかった
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月参り初音に口をすぼめけり

2015-02-21 | 
月参り初音に口をすぼめけり たけし






朝のウオーキングの途中にある神社
雪を冠ったり 霜を葺いたり
時に氷柱をみせてくれていた
参道の霜柱の音をなつかしく立てたりもして興じたこともある

その神社で鶯の声を聴いた
まだ上手ではないが稽古しているような鳴き声だった
思わず口笛をふきそうになったが
口をすぼめるだけで音はださないでいた
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春立つや老いの覚りし怠け癖

2015-02-20 | 
春立つや老いの覚りし怠け癖 たけし>






立春となると身がひとつ引き締まって
正月とは異なった決意 決心 目標 
みたいなものをこころがけていた

それがここのところ何もない
困ることもなければ申し訳など全くない
完全なる老人力が身に着いた

老人力は怠け癖の同意語らしい
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潮の香に語りつきない春日傘

2015-02-19 | 
潮の香に語りつきない春日傘 たけし




春の海
この言葉の響きだけで爽やかな気分になる

砂浜にでたりしたら
しばらくは戻れない

潮の音に聴き入ってうたのだけれど
いつかあれやこれやと潮の香に話しかけていた

男では景にならない
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寒明けの裾まで浮かぶ筑波山

2015-02-18 | 
寒明けの裾まで浮かぶ筑波山 たけし





日の出近くに東方に歩いていると
運の良い日には筑波山が臨める
寒明けまもない空気は冴え冴えとしていて
筑波山の裾野が広がっている

空気と光の屈折の関係もあるというが
その姿は普段よりも大きく全容が浮かんで見える
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春の日や合掌したる道祖神

2015-02-17 | 
春の日や合掌したる道祖神 たけし







昔からある街道を歩くと
道祖神をよく見かける
路がセイブされてその位置を移動させられて
たくさんの道祖神がひとつところに集められたりしている

春の日を浴びてどの道祖神も柔和に笑顔である
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日永しただ数えてる下駄の音

2015-02-16 | 
日永しただ数えてる下駄の音  たけし





日が長く感じられる陽気になった
雪の日もあれば用水堀が凍ったりもする
春はまだまだ浅い

5時には暮れていたが今は6時過ぎまで明るい
下駄を履いて家の近くを犬をつれて歩くのも
たっぷりの時間がある
風のない日など
いつしかその下駄の音の家事を
数えているのがから可笑しい
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なぐさみに白魚ぴるる踊り喰い

2015-02-15 | 
なぐさみに白魚ぴるる踊り喰い たけし




白魚の踊り食い はなんとか味わったが
その都度後味が悪いものだった記憶がある
人は人以外の生き物の生命をいただいて生きている
その生命に感謝をして調理もする

この踊り食いは
人の驕り 生命をなぐさみにしているようでいただけない
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勝負師の気合い祖父の目鶏合

2015-02-14 | 
勝負師の気合い祖父の目鶏合   たけし





明治27年生まれの伯父の下で幼年時代を過ごした私は
この伯父を父とも祖父ともとして綢わりついていた
定職をもたない伯父は何を生活の糧としていたかは不明だが
時に闘鶏場に私を伴うことがあった

蓆を敷いてその上にゴザを円形状に立てる
これが軍鶏の土俵 コロシアムだ
伯父はその行司役を務めていたようだった
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