竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

我心春潮にありいざ行かむ  虚子

2017-02-14 | 虚子鑑賞
高浜虚子 「五百五十句」第2回 昭和十一年二月

我心春潮にありいざ行かむ




古綿子ふるわたこ著きのみ著のまゝ鹿島立かしまだち
二月十六日 楠窓なんそう東道の下に、章子を伴ひ渡仏の途に上る。午後三時横浜解纜かいらん箱根丸にて。

我心春潮にありいざ行かむ
二月十九日 神戸碇泊ていはく。花隈、吟松亭、関西同人句会に列席。

日本にっぽんを去るにのぞみて梅十句
二月二十一日 朝、門司著。萍子へいし招宴、三宜楼。

上海シャンハイの霙みぞるゝ波止場はとば後あとにせり
二月二十六日 箱根丸船中。

春潮や窓一杯のローリング
二月二十九日 朝、香港ホンコン出帆。

顔しかめ居る印度インド人町暑し

著飾きかざりて馬来マレー女の跣足はだしかな

裸なる印度ますらを幸さきくあれ


虚子は神戸からこの月、フランスへ旅立った
出発前の期分の高揚がうかがいしれる
また船上での発見を詠んでいる(丈士)
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