竹とんぼ

先達の秀句を味わいながら
自得の一句を求めて多作多捨です
古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です

梅雨湿り期限の怪し置き薬 たけし

2018-08-05 | 
梅雨湿り期限の怪し置き薬 たけし



句意は単純明快で面白味に欠ける

置き薬は常備薬に変えてみたり
正露丸にしてみたり

迷ったが「置き薬」に落ち着いた
期限の怪し」もまだ言い過ぎの感じが残る


2018.8.1 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生選
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レコードの雑音汗まみれの青春 たけし

2018-08-04 | 
レコードの雑音汗まみれの青春 たけし



昭和18年生の私が20才の頃の洋レコード

ビートルズ 「ヘルプ!」「イエスタデイ」
ローリング・ストーンズ 「サティスファクション」「一人ぼっちの世界」
ボブ・ディラン 「ライク・ア・ローリング・ストーン」「寂しき4番街」
テンプテーションズ 「マイ・ガール」64-65「ゲット・レディ」
ジェームス・ブラウン 「パパのニュー・バッグ」「アイ・ガット・ユー」
ウィルソン・ピケット 「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」
バーバラ・メイソン 「イエス・アイム・レディ」
スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ
バーズ 「ミスター・タンブリン・マン」「ターン・ターン・ターン」
ザ・フー 「マイ・ジェネレーション」

こうした曲名を目にするだけであの青春時代が蘇る
深夜喫茶などでの生演奏も懐かしい
青春は音楽に汗、一日が24時間では短かかった


2018.7.4 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生選
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白牡丹闇を余白とつかい切る たけし

2018-08-03 | 
白牡丹闇を余白とつかい切る たけし



初案は3年ほど前の

白牡丹闇という闇みな余白
白牡丹と漆黒の闇の対比を詠んだもの

掲句に添削していくぶんか近づいたがまだ納得できない
このテーマはおそらくこれからも
私から離れないような気がしている



2018.6.14 第29回 黒羽芭蕉俳句大会 鶴見一石子選
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問診に要らぬ強がり走り梅雨 たけし

2018-08-02 | 
問診に要らぬ強がり走り梅雨 たけし




還暦をすぎた頃から
健康に気遣うようになっている

血圧が高めで視力も弱い
庭の手入れなどは根気が続かない

月に一度、近くのクリニックへ定期診療に通っている
問診では型通りの医師との会話がある

何故か、強がっている自分がいる
帰途必ず自戒

腰が痛い、朝気分が優れない、階段が辛い
膝の関節に違和感がある。目が霞む、片頭痛がひどい

言えば良かったなー


2018.6.20 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生選
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慟哭のひとつに足らず青岬 たけし

2018-08-01 | 
哭のひとつに足らず青岬  たけし




湘南の海は青春の舞台だった
三浦半島では干潮の浜を沖に向かって歩き
休んでいたら潮が満ちて道が無くなり
一晩の塾して震えたこともある

失望、悔恨などで
海に向かって絶叫した記憶は
ひとつに留まらない

今でも海に出ると何かを叫びたい衝動にかられる



角川 平成俳壇 30-7 星野高士選
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傲慢の果ての哀しみ青大将  たけし

2018-07-31 | 
傲慢の果ての哀しみ青大将  たけし




今年は我家の庭に蛇が多いような気がする
家内は巳年のせいか蛇を怖がらず
抜け殻を見つけると大切に保管している

蛇はいつでも単独行動のようだ
蛇も加齢はするのだろう
ここのところの暑さでその動作は緩慢そのもの
声なき声の悲鳴を感じる

傲慢にふるまった青壮年期の面影は薄い
その哀しみは人の世界も変わらない


2018.6.8 俳句大学 一句鑑賞 工藤恵専
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夏は俺流ハーレーダビットソン たけし

2018-07-30 | 
夏は俺流ハーレーダビットソン たけし




しばらく以前になるが
家族と那須高原に出かけたおりに
立ち寄った道の駅

真夏の太陽がその威勢を大地に焼き付けていた
孫たちは元気にソフトクリーム
私ら夫婦は冷たい心太をいただいていた

そこへ突然の聞き覚えのあるエンジンの音
ピカピカの磨かれたハーレーダビットソン
革ジャンパーに革ブーツ

夏は俺流と云っているように感じる
あまり若くない載り手に拍手した

どこかに自分にもこの気持ちは残っている



2018.7.4 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生選
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心太透けて見えてる二枚舌 たけし

2018-07-29 | 
心太透けて見えてる二枚舌 たけし




嘘つきや下心をかくして近づいてくる
なんとも愛想の良い
饒舌の取引先
用件にあまり関係のない話題で近づいてくる
下心は見え見えだ
心太の葦簀張りの店内
あちこちで下心や二枚舌がはびこっている


2018.7.25 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生選

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腕組んで動かぬ庭師雲の峰 たけし

2018-06-15 | 
腕組んで動かぬ庭師雲の峰




植木職人が腕を組んで庭木の枝ぶりを眺めている
じっとりと額から汗
しばらく動かない
やおら脚立に上っていくつかの鋏を使い分けての作業

脚立から降りてまた腕を組む
空には大きな積乱雲

日盛りの中の仕事は他にも多いのだ



発表 2015/7/15
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ひとことを呑みこみながら洗髪す たけし

2018-06-13 | 
ひとことを呑みこみながら洗髪す




涙を堪えながら
グジグジと拘りながら
憤懣に荒っぽく
ただ無心に快く
抜け毛を気遣いながら
出かかったひとことを呑み込んで

洗髪にはいろいろあった


発表 2015/7/15
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ひもじさを忘る温もり麦粉菓子 たけし

2018-06-01 | 
ひもじさを忘る温もり麦粉菓子




麦粉菓子といっても現在では
結構上品なお茶受けになっている

戦中戦後のひもじさを補った記憶はほとんど薄れている
あのお湯で溶いだだけの生暖かい感触
いっときの温もりがあったように憶えている


初案 2017/6/15
ひもじさの消ゆる温もり麦こがし
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手帚のひとりあそびや松落葉 たけし

2018-05-31 | 
手帚のひとりあそびや松落葉






玄関先におちている松の落葉
留守居して母を待っている幼女
指でその落葉を掃き寄せる

母はなかなか帰らない
落葉の重なってきて積み上がる
しだいに何故か哀しくなってくる

初案 2015/6/15
指先の幼児かえりや松落葉
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黄泉路とも前世の憶え蛍の夜 たけし

2018-05-30 | 
黄泉路とも前世の憶え蛍の夜





毎年どこかしかで蛍狩をしている
一度は「蛍舟」を経験した
蛍の乱舞している
真っ暗な川を何艘もの小さな舟が音もなく下る
初めての体験なのだが何か懐かしい
前世の記憶
ふとよぎる不思議な感覚



初案 2015/6/15

黄泉路まで案内されさう蛍の火
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あさまだき逸れ蛍の灯の翳り たけし

2018-05-29 | 
あさまだき逸れ蛍の灯の翳り




蛍のあの乱舞は生の競演なのだが
蛍は死出の案内とも

ときおり群れからはなれての逸れ蛍もいるようだ
明け方まで彷徨い続けて
命の灯ははかなく尽きるのを覚悟のようでもある

初案 2014/7/15
灯の淡き逸れ蛍の吹かれおり
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富士おろし列びて揺るる青ひさご たけし

2018-05-26 | 
富士おろし列びて揺るる青ひさご




富士の裾野を12回に分けて一周したことがある
夏に入ったばかりの瓢箪の棚がたくさんある光景に遭遇した
文字通り鈴なりのまだ青い瓢箪の実がぶら下がっていて
おりからの富士山からの風に揺らいた

初案  2015/8/15
青ひさご列びて揺れし富士の風
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