竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

籐寝椅子手に読み止しの抑留記 丈子

2024-06-29 | 

2024年 夏
八月はあの79年前の終戦の月
平和呆けの身に抑留記は辛すぎる
読み止しのまま籐椅子に午睡

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かたくなに遠祖の個性文字擦草  丈子

2024-06-28 | 


2024年 夏
己の性格やなにげない動作は
遠祖から受け継いでいると思う事がある
捩花も同感するに違いない

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海亀の百の卵に百の涙(るい) 丈子

2024-06-27 | 


2024年 夏
海亀の産卵
母亀は卵をひとつずつ産むたびに
涙を落とす なんとも神秘的、厳粛でもある

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86回しらさぎ俳句会

2024-06-27 | 第一句集「裂帛」自選
86回しらさぎ俳句会

句会への出席は全て遠慮しているが
講師もいない間々田の俳句同好会のは出句して
会友からの依頼で鑑賞文を提出している
今回86回にあたるが100回まではつづけようと思っている
<>内は私の独断と偏見のよる添削
自句自解が私の作品 

86回しらさぎ俳句会 2024年6月 鑑賞 
    小林たけし 2024/6/26

できた作品を自身で口に出して読んでみましょう
韻律リズムを意識できます
日常語を作品に即した言葉を当てましょう
名詞で始めて名詞で止める俳句 初心者には難しい


1.   画用紙の白紫陽花は浅みどり
色の対比の狙いはよかったが空回りしてしまった
<床柱匂う四葩の浅みどり>四葩と浅みどりで和語を併せた
2.   金魚玉に泳ぐ魚は淋しがり 
魅かれる句〇 泳ぐは省きたいが難しい
「に」が説明になってしまう なければ切れが生じる
3.   旧友とビールで宴会開始する 
文章で終わっている
<隣席に幼馴染のビヤガーデン>偶然の再会
4.   紫陽花の園を静かに風渡る 
そこで何を感じたかが俳句
<幽玄の紫陽花の園月青し>夜の紫陽花園に舞台を
5.   雨音のウインナーワルツ梅雨の入り 
取り合わせ◎梅雨の文字を用いたらもう雨は使わない
<不揃いのウインナーワルツ梅雨に入る>はずれた三拍子
6.    道の駅旨味溢れる枇杷葉湯 
枇杷葉湯の旨味に感動の句? 句材が良い◎
<道の駅枇杷葉湯の暑気払い>旅の途中の古事の発見
7.三毳山翡翠葛(かずら)の翡翠色 
「翡翠葛(かずら)の翡翠色」分かりすぎて凡
<眼福の翡翠葛(かずら)の神秘色>三毳山を省略 色に絞ってみた
8.風雨止み突然雲間虹が立つ 
雨風止んで虹が出た 平易な景こそ表意に工夫
<ざっとひと雨はなやかに虹立てり>
9.雷三つ王手追手と藤井聡太  
句意も表意も工夫を感じる〇雷三つも〇
<聡太詰めミクロコスモス雷三つ>ミク・・は伝説の最長詰手数
10.学生の通学一斉衣替え  
平凡の極みになった
<更衣はちきれそうに女子高生>
11.病室の幾何学模様みて皐月 
中七絶妙  下五も不思議にしっくりした
入院時の不安と期待の微妙な心理状態が伺える
12.ふてぶてとおまけの金魚まだ太る 
自句自解 金魚すくいでのおまけの金魚のほんとうのこと
「ふてぶてと」「太る」に少しの韻を狙った
13.夏空の全景として熱気球 
自句自解 渡良瀬遊水地での熱気球のイベント
空がとりどりの気球で埋め尽くされる
14.六月一日いっせいに白の群れ 
時事俳句は詠むべしだがなかなか本意が通じない
「白の群れ」が分からなかった、申し訳ない
15.渓谷を浩然と抜け若葉風 
浩然は心などが広くゆったりとしているさま。
作者が感じたままを表現した
16.六月は雨と寒暖混在す  
報告と説明で終わっている
<うつりぎな雨と寒暖六月来>
17.薔薇の棘生命線をかすめ止す 
棘と生命線 面白い取合せ
<生命線かすめて止まる薔薇の棘>リズムを整える
18.学友は今もちゃん呼び古稀の鮨 
句材が〇 語順とリズムに拘ろう
<ちゃん呼びの友との円居古稀の鮨>
19.どくだみは似合わずに花白し  
たしかにあの白い十字花は名にそぐわない
<どくだみにそぐわぬ容十字花>
20.生けるものこぞって多弁風薫る 
自句自解 しっくりした季語が欲しい所
「生けるもの」ものものしい言い方も問題
21.更衣大きな夢に袖通す 
特別な運命の日 大げさな大きな夢への第一歩◎
句材も句意も作品も飛躍があって◎
22.更衣朝の散歩も身軽なり 
ひとひねり足りない
<更衣行き交人のみな若く>
23.蓮の花厩戸皇子叡福寺 
句材は面白く魅かれるが未完成のよう
<蓮蓮華太子の御陵叡福寺>
24.夏風邪にどっぷり浸かり日の眩し 
中七が秀逸〇
<夏風邪にどっぷり浸かり飴二つ>
25.旅先で兄弟そろい更衣 
  兄弟の落ち合う旅先での状況
<はらからのそろいのアロハ道の駅>
26.夜釣りにて小川のほとり蛍観る 
夜釣りで蛍を観たのは嬉しい体験
<佇めばほうたるの舞う竿の先>
27.七変化舗道彩る雨の中 
高得点句 おめでとう 紫陽花と雨は避けよう
<紫陽花の濡れた舗道の色と彩>
28.甘辛し蛍の湖に身を塔ず 
「身を塔ず」が解せない
   <甘い水蛍の湖に吾も溺れ>
29.しがらみを解く男のクールビズ 
更衣して柵の呪縛を解き放つ
そんな解放感があったっけ
30.落梅のひとひひとひの日の暮れぬ 
リフレーンに工夫を感じる 「落梅や」と切りたい
<落梅やひとつひと日の暮にけり>
31 囀りに混ぜてと思えし辞書のなく 
   作者は囀る鳥になりたいの? 難解
   <囀りに電子辞書ひく鎮守杜>
32. 芍薬の花を愛でてる少女かな 
  物足りない感じ
<芍薬の百花のなかに一少女>
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長考の踏み出す一歩かたつぶり 丈子

2024-06-26 | 

2024年 夏
この長考がが身を助く
自然界には生きる知恵がたくさん

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捩花の生涯とおす自己欺瞞 丈子

2024-06-25 | 


2024年 夏
本心の吐露は生涯あらず
こんな頑固を容にす
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青梅落つごみでしかない三輪車 丈子

2024-06-24 | 

2024年 夏
孫たちの嬌声がなつかしい
車庫の片角に三輪車
もうごみでしかない三輪車
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新樹香踏み艶揺るる建長寺 丈子

2024-06-23 | 


2024年 夏
鎌倉建長寺
庭園からの新樹の香
そこへの床の艶が陽に揺れていた
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なぞる手に翁の言霊木下闇 丈子

2024-06-22 | 


2024年 夏
古刹の杜に芭蕉翁の句碑がある
思わず手でその文字江尾んぞった

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サングラスあえてくっきりほうれい線 丈子

2024-06-21 | 


2024年 夏
気取ったつもりのサングラス
ほうれい線のよく目立つ
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をちこちに蛇行の軌跡生身魂 丈子

2024-06-19 | 
高野山生身供

2024年 夏
八十路ともなれば半分は生身魂
来し方に蛇行の軌跡がはっきりとうかぶ

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おとがいが語る半生半夏雨 丈子

2024-06-18 | 


2024年 夏
中年を過ぎると
頤に半生が刻まれる
これからの半生が重なっていく

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二つ星歌声喫茶の青春 丈子

2024-06-17 | 


2024年 秋
「ともしび」に入り浸りの少年後期
ラストソングの後の帰途
空の星を語り合っていた青春

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一足に足の意思あめんぼう 丈子

2024-06-16 | 


2024年 夏
六足のあめんぼう
一足一足にそれぞれの意思とと役割
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大南風(おおみなみ)疼く遠祖の羽の痕 丈子

2024-06-15 | 

2024年 夏
夏日の大きな南風に吹かれると
遠祖のプテラノドンの羽の名残り
肩甲骨が落ち着かない

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