86回しらさぎ俳句会
句会への出席は全て遠慮しているが
講師もいない間々田の俳句同好会のは出句して
会友からの依頼で鑑賞文を提出している
今回86回にあたるが100回まではつづけようと思っている
<>内は私の独断と偏見のよる添削
自句自解が私の作品
86回しらさぎ俳句会 2024年6月 鑑賞
小林たけし 2024/6/26
できた作品を自身で口に出して読んでみましょう
韻律リズムを意識できます
日常語を作品に即した言葉を当てましょう
名詞で始めて名詞で止める俳句 初心者には難しい
1. 画用紙の白紫陽花は浅みどり
色の対比の狙いはよかったが空回りしてしまった
<床柱匂う四葩の浅みどり>四葩と浅みどりで和語を併せた
2. 金魚玉に泳ぐ魚は淋しがり
魅かれる句〇 泳ぐは省きたいが難しい
「に」が説明になってしまう なければ切れが生じる
3. 旧友とビールで宴会開始する
文章で終わっている
<隣席に幼馴染のビヤガーデン>偶然の再会
4. 紫陽花の園を静かに風渡る
そこで何を感じたかが俳句
<幽玄の紫陽花の園月青し>夜の紫陽花園に舞台を
5. 雨音のウインナーワルツ梅雨の入り
取り合わせ◎梅雨の文字を用いたらもう雨は使わない
<不揃いのウインナーワルツ梅雨に入る>はずれた三拍子
6. 道の駅旨味溢れる枇杷葉湯
枇杷葉湯の旨味に感動の句? 句材が良い◎
<道の駅枇杷葉湯の暑気払い>旅の途中の古事の発見
7.三毳山翡翠葛(かずら)の翡翠色
「翡翠葛(かずら)の翡翠色」分かりすぎて凡
<眼福の翡翠葛(かずら)の神秘色>三毳山を省略 色に絞ってみた
8.風雨止み突然雲間虹が立つ
雨風止んで虹が出た 平易な景こそ表意に工夫
<ざっとひと雨はなやかに虹立てり>
9.雷三つ王手追手と藤井聡太
句意も表意も工夫を感じる〇雷三つも〇
<聡太詰めミクロコスモス雷三つ>ミク・・は伝説の最長詰手数
10.学生の通学一斉衣替え
平凡の極みになった
<更衣はちきれそうに女子高生>
11.病室の幾何学模様みて皐月
中七絶妙 下五も不思議にしっくりした
入院時の不安と期待の微妙な心理状態が伺える
12.ふてぶてとおまけの金魚まだ太る
自句自解 金魚すくいでのおまけの金魚のほんとうのこと
「ふてぶてと」「太る」に少しの韻を狙った
13.夏空の全景として熱気球
自句自解 渡良瀬遊水地での熱気球のイベント
空がとりどりの気球で埋め尽くされる
14.六月一日いっせいに白の群れ
時事俳句は詠むべしだがなかなか本意が通じない
「白の群れ」が分からなかった、申し訳ない
15.渓谷を浩然と抜け若葉風
浩然は心などが広くゆったりとしているさま。
作者が感じたままを表現した
16.六月は雨と寒暖混在す
報告と説明で終わっている
<うつりぎな雨と寒暖六月来>
17.薔薇の棘生命線をかすめ止す
棘と生命線 面白い取合せ
<生命線かすめて止まる薔薇の棘>リズムを整える
18.学友は今もちゃん呼び古稀の鮨
句材が〇 語順とリズムに拘ろう
<ちゃん呼びの友との円居古稀の鮨>
19.どくだみは似合わずに花白し
たしかにあの白い十字花は名にそぐわない
<どくだみにそぐわぬ容十字花>
20.生けるものこぞって多弁風薫る
自句自解 しっくりした季語が欲しい所
「生けるもの」ものものしい言い方も問題
21.更衣大きな夢に袖通す
特別な運命の日 大げさな大きな夢への第一歩◎
句材も句意も作品も飛躍があって◎
22.更衣朝の散歩も身軽なり
ひとひねり足りない
<更衣行き交人のみな若く>
23.蓮の花厩戸皇子叡福寺
句材は面白く魅かれるが未完成のよう
<蓮蓮華太子の御陵叡福寺>
24.夏風邪にどっぷり浸かり日の眩し
中七が秀逸〇
<夏風邪にどっぷり浸かり飴二つ>
25.旅先で兄弟そろい更衣
兄弟の落ち合う旅先での状況
<はらからのそろいのアロハ道の駅>
26.夜釣りにて小川のほとり蛍観る
夜釣りで蛍を観たのは嬉しい体験
<佇めばほうたるの舞う竿の先>
27.七変化舗道彩る雨の中
高得点句 おめでとう 紫陽花と雨は避けよう
<紫陽花の濡れた舗道の色と彩>
28.甘辛し蛍の湖に身を塔ず
「身を塔ず」が解せない
<甘い水蛍の湖に吾も溺れ>
29.しがらみを解く男のクールビズ
更衣して柵の呪縛を解き放つ
そんな解放感があったっけ
30.落梅のひとひひとひの日の暮れぬ
リフレーンに工夫を感じる 「落梅や」と切りたい
<落梅やひとつひと日の暮にけり>
31 囀りに混ぜてと思えし辞書のなく
作者は囀る鳥になりたいの? 難解
<囀りに電子辞書ひく鎮守杜>
32. 芍薬の花を愛でてる少女かな
物足りない感じ
<芍薬の百花のなかに一少女>