竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

敗荷や誰とも会わず口きかず 丈子

2024-10-31 | 今日の一句


2024年 秋
秋の風雨に晒されて無惨な破れ蓮の姿
池の辺の老いた己をみる思い
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木の実降る年ごとに負う句読点 丈子

2024-10-30 | 今日の一句


2024年 秋
木の実が落ちる晩秋
厳しい冬への備えを促すようだ
限りある余生にまたひとつの句読点とも
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萩の風月命日がまたひと日 丈子

2024-10-29 | 今日の一句



2024年 秋
三回忌までは月命日の墓参をこころがけている
今年家族の不幸があった
墓参にさわやかな萩の風をいただいた

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さがしてる謝るあいて穴惑い 丈子

2024-10-28 | 今日の一句


2024年 秋
謝る相手はもう彼岸
手遅れの謝罪は意味がない
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ころあいと個々の決断朴落葉 丈子

2024-10-27 | 今日の一句


2024年 秋
人面のように大きい朴の葉が
音もなく地に落ちてくるが
一枚一枚それぞれの決断で枝を離れるようだ
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障子張る刷毛に憶えの凹みかな 丈子

2024-10-26 | 今日の一句



2024年 秋
1室だけの和室の障子を張り替える
糊の刷毛の「凹みに
ほっとする懐かしさを感じる

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秋雨にほそくかすかに荼毘けむり 丈子

2024-10-25 | 今日の一句


2024年 秋
火葬を待つやるせない時間
荼毘の白煙が秋雨にけむるのをみている
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退院の口一文字秋の暮 丈子

2024-10-24 | 今日の一句


2024年 秋
釈然とはしなかったが否応もなく退院だと言われた
固く閉ざされた一文字の口元に笑顔はない
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いくばくか逃れる鮎も下り簗 丈子

2024-10-23 | 今日の一句



2024年 秋 丈子

産卵のための川下りだが簗は人のエゴの営み
いくばくかはそれを逃れ性を全うする
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かばいあう二人三脚今日の菊 丈子

2024-10-22 | 今日の一句

2024年 秋
「今日の菊」は重陽の子季語
老いても夫婦は
生涯かばいながら二人三脚
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かばいあう二人三脚今日の菊 丈子

2024-10-22 | 今日の一句


2024年 秋
「今日の月」は重陽の子季語
生涯は夫婦の二人三脚
老いてもかばいあいながらも
生涯は夫婦の二人三脚
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新走り長広舌の笑い皺 丈子

2024-10-20 | 今日の一句


2024年 秋
新酒の前の長広舌は辟易だが
店の主の好々爺然の笑顔は諾
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秋灯下家人の知らぬ奇書悪書 丈子

2024-10-19 | 今日の一句


2024年 秋
失念していた書棚の奥の奇書悪書
始末に思案する秋灯下
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残り蚊の刺す気のなくて刺す気配 丈子

2024-10-18 | 今日の一句


2024年 秋
刺す力はもうないのに寄って来る
生き残りの秋の蚊を打つ
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「For Sale」我が物顔のコスモス 丈子

2024-10-17 | 今日の一句


2024年 秋
空家に目立つ看板For Sale」
庭にたくさんのコスモスが
咲き乱れている
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