竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

夏怒濤阿修羅のごとく奇岩列 丈子

2024-05-31 | 

2024年 夏
橋杭岩の奇岩列に
夏の怒濤が襲い掛かるさま
奇岩が阿修羅の様相に変わってみえる

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別れには白いハンカチ昭和 丈子

2024-05-30 | 

2024年 夏
ハンカチを振る別れ
今は昔の懐かしさ

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後もどりできぬ生き方蝸牛 丈子

2024-05-29 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 夏
歩みは遅い蝸牛だが
決して引き返したりはしない

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妬心傷心つばひろの夏帽子 丈子

2024-05-28 | 

2024年 夏
いつまでも妬心傷心
かくしきれない女の夏帽子

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ふりむいた逆光の顔サングラス 丈子

2024-05-27 | 

2024年 夏
声かけてふりむいた顔に
逆光のサングラスが眩しい

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億年を息つぐ間合い滴りぬ 丈子

2024-05-26 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 夏
有史以来の滴りも
思わず合掌する

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生けるものこぞって多弁風薫る 丈子

2024-05-25 | 

2024年 春
薫風に梢が心地よくゆらいでいるが
鳥も虫も人までもが機嫌よく多弁である

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元禄の粋人気分籠枕 丈子

2024-05-24 | 第一句集「裂帛」自選

2024年 夏
簾どしの風をうけての午睡
篭枕をあてれば元禄の粋人のここち

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少年に血気の拳夏怒涛 丈子

2024-05-23 | 

2024年 夏
激しい夏の波音を聞くと
握る両手にみなぎる血気
少年期が懐かしい

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いつだつて不満出目金のモンロー 丈子

2024-05-22 | 

2024年 夏
もう5年目の出目金だが
機嫌の良かったことはない
名は腰を振るモンロー

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止めの草矢愛憎の出生地 丈子

2024-05-21 | 

2024年 夏
戦中産まれの私には
愛憎のあざなう故郷である
止めの草矢で思い切る

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夏空の全景として熱気球 丈子

2024-05-20 | 第一句集「裂帛」自選


2024年 夏
栃木埼玉群馬県に接する渡良瀬遊水地
熱気球の大会が開催されると
国内外の選手がとりどちの
気球で夏空を彩る景は壮観だ

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風鈴のよく鳴る日なり子の帰る 丈子

2024-05-19 | 

2024年 夏
今日は子が帰省する
軒下の風鈴がやけによく鳴る

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躓きて高くひと声羽抜鳥 丈子

2024-05-18 | 


2024年 夏

羽抜鳥の姿はみすぼらしく寂しくもある
躓いて鳴いたりは我が身を彷彿させる

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焦げたままの断末落蟬の声 丈子

2024-05-17 | 


2024年 夏
焦げているような蝉しぐれ
鳴き止むところ断末魔








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